2014年5月9日金曜日

バッファロートレース、供給面での不安に直面――地元TV局が報道(WDRB)

Buffalo Trace :: Bourbons
バッファロートレースの熟成庫
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 バーボン・ウイスキーを生産するバッファロートレース蒸留所が、供給面で不安を抱えている。ケンタッキー州を拠点とするFOX系のテレビ局「WDRB」に明らかにしたもので、世界的なウイスキー人気の高まりが理由だ。

 同蒸留所のハーレン・ホイートリー・マスターディスティラーは、この40年間で抱えた在庫以上の蒸留を現在行っており、問題を軽減することは可能だとしている。また、ボトリングラインでは雇用拡大を図り、樽の配分に関する責任者を登用するといった対策も行った。ただ、WDRBは「それでも不安は残る」と伝えている。

 元記事では具体的数値などが挙げられていないため、どれほどの水準で問題となっているかの推測は難しい。しかし近年、メーカーズマークが需要対応のためアルコール度数引き下げを発表するなど(後に撤回)、ウイスキーの世界的流行や異常気象による原料不足を背景とした問題が浮上していることは事実だ。また、バーボンだけでなくスコッチ・ウイスキーでも同種の状況となっており、原料だけでなく熟成に使用するシェリー樽がスコットランド、さらにシェリーの原産国であるスペインで減少しているとの未確認情報もある。

 これらの問題に対応するためには、資本系列の垣根を越えた原料、副資材のサプライチェーン構築が必要となってくるかもしれない。また、マーケティングや生産といった分野に留まらず、農学的なアプローチなどさまざまな手段を試行することも重要といえるだろう。

Buffalo Trace Distillery warns that bourbon shortage is looming(WDRB)


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