2012年6月7日木曜日

ラム「キャプテンモルガン」がトレジャーハントを支援——実在したヘンリー・モルガンの沈没船を調査(ブルームバーグ)

自ら海底を調査する、ハンゼルマン教授
(テキサス州立大学ホームページより)
テキサス州立大学の海洋考古学者、フレデリック・”フリッツ”・ハンゼルマン教授は来月、パナマ沖の沈没船を調査する。
この船は17世紀に活動した海賊、ヘンリー・モルガンが指揮した船と考えられている。
そして、調査を資金的に支援するのは、同じくヘンリー・モルガンにあやかって名付けられたラム「キャプテンモルガン」だ。

Captain Morgan’s Search for the Real Morgan's Brand Treasure(ブルームバーグ)

1年前に行なわれた予備調査では、7メートル×16メートルほどの船の一部を発見。
そこには箱や棚もあったという。
またハンゼルマン教授は最近、周囲の海底からモルガン艦隊が使用したと思われるキャノン砲も発見しており、この船はモルガン艦隊の旗艦「サティスファクション」ではないかと期待している。

キャプテンモルガンのブランドを現在保有するのはディアジオ(英)。
同社のトム・ハーブスト ブランド・ディレクター(米国・キャプテンモルガン担当)は「この物語はキャプテンモルガンのブランドに磨きをかける。そして、我々は宝探しをするのだ」と海底に秘められたロマンに思いを馳せる。

なお、調査する海域はパナマ領海であるため、宝石などが発見されても所有権はパナマ政府にある。
もしそれが現実となった場合、パナマの歴史遺産保護を目的とするNGOが管理する予定だという。


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2012年6月6日水曜日

グランツ社ステラ・デイビッドCEOインタビュー②(アイリッシュタイムズ)

(きのうからのつづき)

ワールドスピリッツジャーナルの記事を書いていて日々思うのが、世界の酒造各社のリーダーたちは、ユニークな経歴を持っている者が多いということだ。
たとえば、ビーム(米)のマシュー・シャトックCEOはダラム大学(英)で学んだ後、英国陸軍戦車部隊の指揮官をしていた。
また、キリンビールの磯崎功典社長は(同社グループ企業ではあるが)ホテルの支配人を務めた経験を持つ。

その点、ステラ・デイビッド グランツ社CEOの経歴も興味深い。
彼女はイングランド・ノースヨークシャー州に生まれ、ケンブリッジ大学で工学を修める。
航空機メーカー、ブリティッシュ・エアロスペース(BAe、英)の支援の下で、だ。
やはり大学では「飛行機の設計をしていた」というが、しかし、卒業後に入社したのはBAeではなく音楽事業を展開するソーンEMI(英)だった。
ここで彼女は、マーケターとしての人生をスタートさせる。
「エンジニアになるよりマーケターとなって、良かったと思っている」
ソーンEMIだけでなく、「スナックフーズの会社」、そしてバカルディ(英領バミューダ諸島)で、いずれもマーケティングに携わる。
なかでもバカルディには15年、在籍した。
「バカルディでのキャリアは、英国担当のマーケティング・コントローラーという立場からスタートした。その後、マーケティング・ディレクター、取締役(英国担当マネージング・ディレクター)、会社の最高マーケティング責任者になった」
バカルディでの思い出は、プレミックスカクテル「バカルディ・ブリーザー」の、英国での成功だという。
「バカルディ・ブリーザーは然るべきときに、然るべくしてつくられた商品だった。英国で爆発的に売れたのは、見た目もそうだけれど味も良い商品だったからだ」
デイビッドCEOがそう言うと、インタビュアーのキャラハン・ハンコック記者はいじわるな質問をした。
「今でも、バカルディ製品を飲むのですか?」と。
しかし、デイビッドCEOは今の会社への思いを言葉に表す。
「正直に話したところで、私が好きなのはヘンドリクス。私はあなたが注目しているブランドに忠実なの」

彼女は2009年8月、そのヘンドリクス・ジンを保有する、グランツ社の門をくぐる。
バカルディでの実績を評価され、CEOとして迎え入れられたのだ。
「グランツ社は身の丈を知っている会社。小さい会社ではないけれど、大きくもない。大切なのは、自分の強さが何であるかを知っているか、ということ」
グランツ社は今年で創立125周年を迎える。
だが、社内向けのものを除いて特にイベントなどを行なわない。
また会社はウィリアム・グラントの子孫たちによって保有されるが、創業家のメンバーはオペレーションを行なう立場にはないという。

ハンコック記者は彼女を「種々の可能性については、慎重に話す」と評する。
タラモアデュー(元記事はアイルランド紙)の今後について、「つまるところ、どのくらい大きなブランドになるかなんて話すことができない。それをするのは愚かなこと。でも、今日よりは確実に大きくなっているだろう」と語った後、こう付け加えた。
「大切なのは、(タラモアデューの)名前で選んでもらうこと、棚から商品を手に取ってもらうこと——消費者との間にその関係を築いていくことだ」

Whiskey galore for Tullamore(アイリッシュタイムズ)


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2012年6月5日火曜日

グランツ社ステラ・デイビッドCEOインタビュー①(アイリッシュタイムズ)

「カレンダーの数字が赤い日は、家でダーツをしている。下手糞だけど」
ときにはソファに寝そべって、スライスしたキュウリを片手に「ヘンドリクス・ジン」を飲む。
このときも、テレビでダーツの試合を観るという。
「ヘンドリクスとスライスしたキュウリは本当によく合う」
日本人的な感覚からすればお洒落に感じるかもしれないが、元記事の見出しにあるように、生活観はヨーロッパの労働者階級のそれに近い。
しかし彼女は、英国酒造大手のCEOだ。

アイルランド紙、アイリッシュタイムズが行なったウィリアム・グラント&サンズ(グランツ社)、ステラ・デイビッドCEOのインタビュー記事を2回に分けて掲載する。

Whiskey galore for Tullamore(アイリッシュタイムズ)

日本はもちろん、アイルランドにおいても彼女の名は知られていない。
しかし、彼女はアイルランド・オファリー州に3,500万ユーロ(約34億円)投資することを決定した人物だ。

2010年にアイルランドのC&Cグループから、アイリッシュ・ウイスキー「タラモアデュー」を1億7,100万ユーロ(*)で買収したことを振り返り、デイビッドCEOは「とてもいい値段だった」と振り返る。
しかし、タラモアデューはオファリー州タラモアに由来する名でありながら、今はミドルトン蒸溜所でつくられている。
正確にいえば1954年まではタラモアで生産されていたが、アイリッシュ・ウイスキー・メーカーの大合併で、以後、ミドルトンなど他のブランドと一緒につくられるようになった。
また、ミドルトン蒸溜所を保有するのはディアジオに次ぐ大手ペルノリカール(仏)。
タラモアデューはペルノリカールと契約を結んだ上で、生産されている。
「私たちはタラモアデューが未来に亘って成功するために、投資している。5〜6年といった短期のブランド保有を考えているわけではない」

かくして、彼女はオファリー州に新たな蒸溜所をつくることを決断した。
58エーカー(約2万3500平米)の土地を取得し、生産設備のほか、ビジターセンターを設ける。
地元への雇用創出だけでなく、観光資源としての活用も期待できる。

現在、ヨーロッパは金融不安の渦中にあり、なかでもアイルランドはスペインなどとともに、日本においても危機が報じられる。
しかし、グランツ社の取締役会において「心配する声はなかった」とデイビッドCEOは言う。
というのも、タラモアデューは2011年度に70万ケースを出荷しており、これは前年比で15%増という数字だ。
なかでも米国での売上は芳しく、8万ケースが米国向け出荷、またアイリッシュ・ウイスキー全体で見ても170万ケースを米国に出荷しており、こちらは前年比24%増となっている。
今回の投資は、成長が見込める自然な流れの中でのものだ。

なお、デイビッドCEOは「ジェイムソン(ペルノリカールが保有するアイリッシュ・ウイスキー・ブランド)はインターナショナルで、コスモポリタンな印象を受ける。一方で、タラモアデューはアイルランドの歴史的アイコンといった感じ」と比較する。
そして、こうも付け加える。
「アイリッシュ・ウイスキーはスコッチ・ウイスキーと比べると、小さく見えるかもしれない。だけど、それは正しくない。グローバル市場でアイリッシュ・ウイスキーは過小評価されている。可能性があるカテゴリーなのに、それに比べると評価は本当に小さい」

(あすへつづく)


(*)元記事による。本サイト3月29日掲載の記事では同ブランドの買収額を「2億5千万ポンド」としたが、こちらもBBCの元記事が根拠。この2つの数字に整合性が取れないことにつきご容赦いただきたい。
なお、1億7100万ユーロを当時のレートで換算すると19億円〜20億5千万円程度となるため、これも以前の記事との整合性がない。


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2012年6月4日月曜日

ブレンデッド・ウイスキー「アイル・オブ・スカイ」がリニューアル(リテールタイムズ)

グレンゴイン蒸溜所などを保有する独立系蒸溜所グループでボトラーのイアン・マクロード・ディスティラーズ(英)は、ブレンデッド・ウイスキー「アイル・オブ・スカイ」をリニューアルすると発表した。

Ian Macleod Distillers unveils new design for Skye Blended Scotch Whisky range(リテールタイムズ)

ラベルには、キュイリン山と沈む夕陽の情景を描き、「霧の島」として知られるスカイ島の豊かな自然を投影する。
また、アイランドモルトとスペイサイドモルトをブレンドするという創業者・故イアン・マクロード氏のレシピに基づいている、ということからウイスキーそのものは既存商品を踏襲しているものと見られる。

同社のレイン・ウィアー マーケティング担当取締役は、以下のようにコメントしている。
「新しいブランドデザインをするにあたり、スカイ島が持つ『価値』——島が有する歴史や遺産を表現したかった。キュイリン山と夕暮れの情景はリラックスかつ満足させてくれるものだ。忙しい一日の終わり、あるいは、仕事に成功して杯を掲げているときなどに、アイル・オブ・スカイでそうした満足感、達成感を味わっていただければ、と思う」

今回、リニューアルが発表されたのは「8年」と「12年」。
このうち8年は1.5リットル、700ミリリットルボトルと、ハーフボトル(350ミリリットル)、ミニチュアボトル(50ミリリットル)が販売される。
なお、リンクしている元記事に新デザインのボトルが掲載されている。


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2012年6月3日日曜日

ペンダーリンが「グランドスラム2012エディション」リリース——ラグビーのウェールズ代表を讃える記念ボトル(ニュースウェールズ)

Penderyn Grand Slam 2012ウェルシュ・ウイスキー「ペンダーリン」は、「グランドスラム2012エディション」(写真)をリリースした。
今年2〜3月に開催されたラグビーのシックスネイションズ大会で、ウェールズ代表が全勝優勝したことを記念するもの。
同大会の全勝優勝を「グランドスラム」と言う。

Special Welsh whisky to toast Grand Slam(ニュースウェールズ)

ウェールズ代表によるグランドスラムは今年だけでなく2005年、2008年と、この7年間で3回達成されている。
ペンダーリンを生産するウェルシュウイスキーカンパニーのステファン・デイビス取締役は、この偉業と同商品リリースに「チームは素晴らしい仕事を行ない、我々はこれをウイスキーに反映させた」とコメントしている。
また代表チームのアダム・ジョーンズ選手は「グランドスラムを記念するボトルがリリースされ、素晴らしいことだと感じている。ペンダーリンのグランドスラムエディションは私の家の炉棚にも並ぶことだろう」と喜びを語った。

ボトルを収める箱には、ウォーレン・ガットランド監督を筆頭に選手たちのサインや大会の順位表、そしてグランドスラムを達成した対フランス戦の日付がプリントされる。
マデイラウッドフィニッシュで、アルコール46パーセント。
価格は42.99ポンド(約5,200円)。


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2012年6月2日土曜日

英国のホテルに「最も多くのジンを飲める場所」のギネス記録認定(BBC)

フェザーズホテルのバーカウンター
イングランド・オックスフォードシャー州ウッドストックに立地するフェザーズホテルに1日、ギネス・ワールド・レコーズの証明書が授与された。
同ホテルが「最も多くのジンを飲める場所」の世界記録を達成したからだ。

Feathers Hotel has Guinness World Record gin collection(BBC)

同日にギネス認定員立会いの下、ホテル内にストックされている異なる161種類のジンをカウントした。
数え終えるまでに費やした時間は45分。
また、立会った認定員が同ホテルのジェレミー・デュプレシス ゼネラル・マネージャー(GM)に説明したところによると、この数字は前の記録保持者の3倍になるという。

「世界中からジンを集めており、我々の努力が報いられた(デュプレシスGM)」という言葉通り、ジンは英国やオランダのものだけでなく、スペイン、日本、米国、ポーランドなどのブランドも置いている。
またヴィンテージボトルもあり、200ポンド(約2万4千円)の価値を有するものもあるという。

デュプレシスGMは「本当にうれしい。ホテルとチームにとって最高のときだ」とコメントした。


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2012年6月1日金曜日

シーバス、4蒸溜所のキャパシティー拡大を発表——投資額48億円(スコッツマン)

仏酒類大手ペルノリカールと傘下のシーバス・ブラザーズ(シーバス、英)は5月30日、スコッチ・ウイスキーの蒸溜所に年間4,000万ポンド(約48億円)を投資する計画を発表した。
中国を中心とした新興国の需要増に対応するため。

£40m splashed out on raising Pernod whisky production(スコッツマン)

すでに同グループのグレンキース蒸溜所(2000年に操業停止)が来年春の再オープンを目処に工事が進められているが、今回の投資により、グレンアラヒー、グレントファース、ロングモーン、そしてトーモアという、4つの蒸溜所の生産能力を拡大する。
また今夏には、グラスゴー近郊のペイズリーに「プレミアム」ウイスキー専用のボトリング施設もオープンするという。

シーバスのクリスチャン・ポルタ会長兼CEOは「毎年4,000万ポンド規模の投資を行なっていくことを宣言する。今回の投資は力強い成長を続ける市場に対応するためのものだ。当社の将来に亘る成長の基礎を固めるため、イノベーションとポートフォリオの拡充を継続して行なっていくことを約束する」とコメントした。


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