2013年2月19日火曜日

バッファロートレースのウオトカ「HDW CLIX」、英国でリリース――159回蒸留、2000本限定(ハーパーズ)

 バーボン・ウイスキー蒸留所のバッファロートレース(米ケンタッキー州)は、英国市場においてウオトカ(ウォッカ)「HDW CLIX」をリリースした。HDWはハーレン・デーヴィス・ウィートリー(Harlen Davis Wheatley)マスターディスティラーの頭文字で、CLIXはローマ数字で「159」を意味する。159というのは、このウオトカの蒸留回数だ。

Buffalo Trace vodka distilled 159 times comes to the UK(ハーパーズ/リンク先に商品画像あり)
http://www.harpers.co.uk/news/news-headlines/13514-buffalo-trace-vodka-distilled-159-times-comes-to-the-uk

 同商品は、赤秋蒔き小麦(red winter wheat)、ライ麦、コーン、そして蒸留所で生産されたモルトを原料とし、石灰分の豊富な仕込水を使用。28400ガロン(約108キロリットル)のマッシュを基に12ヶ月間、蒸留を繰り返した結果、332ガロン(約1257リットル)のウオトカが出来上がった。これらをさらに12ヶ月間、タンク熟成した後、2000本のボトルに瓶詰めした。

 ウィートリー・マスターディスティラーは「長期間を要したこのプロジェクトの成就を見ることができ、嬉しく思う。4種の異なるグレーン、複数のレシピ、そして159回の蒸留によって、バランスがとれピュアなコンプレキシティ(複雑性)になった」とコメントしている。

 今回、販売を担当するのは同蒸留所の英国代理店ハイスピリッツ(イングランド・サリー)。ハイスピリッツのジェレミー・ヒル会長は「無理からぬことだが、本商品に興味を示しているのはバーの中でも高級店や専門的な小売店。バーにとってはプレミアムなカクテルをつくり、小売店はコレクターに対するアピールになるのだろう」と現状の引き合いを説明した。

 希望小売価格=299ポンド(約4万3000円)で販売する。


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スウェーデンの印刷大手、スコットランドの印刷企業を買収――スコッチ・ウイスキーのラベル印刷受注を目論む(スコッツマン)

 印刷大手エランダーズ(スウェーデン)が、英スコットランドの印刷企業McNaughtan’s(マクノフタンズ?)を買収した。McNaughtan’sは年商200万ポンド(約3億円)、従業員数14人と決して大規模な企業ではないが、ウイスキーのラベル、包装印刷に強みを持つ。買収額は不明。

Swedish giant eyes whisky work after Glasgow takeover(スコッツマン)
http://www.scotsman.com/business/industry/swedish-giant-eyes-whisky-work-after-glasgow-takeover-1-2796597

 スコッチ・ウイスキー協会の調査では、スコッチ・ウイスキーの経済効果は42億ポンド(約6050億円、現行レート)に上るといい、酒造企業だけでなく周辺の産業にも大きな影響を与えている。エランダーズ広報も「多くの(ウイスキー)生産者は、ラベルをパッケージの重要な部分と考えており、また、ラベルと包装は同じところ(印刷企業)に発注する。今回の買収が意味するところは、成長するウイスキー産業の中で新たな顧客を獲得することだ」と明らかにしている。

 エランダーズはスウェーデン・モルンリケ市に本拠を置き、英、米、中国など9ヶ国に展開する大手印刷企業グループ。世界中で1800人を雇用し、直近の売上高は2億ポンド(約290億円)に上る。


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エランダーズ
スコッチ・ウイスキーの経済効果は5800億円――SWA・コンサルティング会社が分析(BBC他)
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2013年2月18日月曜日

バーボン「メーカーズマーク」、アルコール度数引き下げを撤回――一連の騒動に「心からお詫び」と経営者(タイム)

 メーカーズマーク(米ケンタッキー州)は17日、バーボン・ウイスキー「メーカーズマーク・レッドトップ」(写真)のアルコール度数引き下げについて、決定を撤回する声明を発表した。同商品は「世界的需要の拡大に対応しきれないため、アルコール度数を引き下げる」と1次顧客に対して通達し、約1週間前、これを米メディアが報道。世論からは反発の声が挙がっていた。

Maker’s Mark Reverses Decision to Water Down Whiskey(タイム)
http://newsfeed.time.com/2013/02/17/makers-mark-reverses-decision-to-water-down-whiskey/

 声明は「You spoke. We listened.(あなたは話してくれた。我々は[それを]聞いた)」というタイトルが振られ、ビル・サミュエルズ・ジュニア代表とロブ・サミュエルズCOOの連名で発表した。以下、声明を訳す(誤訳やニュアンスの取り違えもあるかと思います。都度、ご指摘賜ればと存じます)。
 我々が、メーカーズマークが供給上の制約によりアルコール度数を引き下げるということを決断し、これを発表してから、アンバサダーやファンから多数の質問を頂戴した。我々は、皆様のメーカーズマークに対する強い情熱と反応を、謙虚に受け止める。この間、何をすることが正しいことなのかと考えた。メーカーズ・マークは皆様のブランドであり、皆様の大多数は決断を変更するよう仰った。
  You spoke. We listened.そして、我々は皆様を失望させたことに対し、心からお詫び申し上げる。
 我々は、ただちに決断を覆し、45%(90プルーフ)のアルコール度数で生産を続けることにした。最初から、そうしていたように。
 (近年の)予想できないほどのドラマチックな成長は、メーカーズマークにとって良い課題だ。(中略) 蒸留所の生産能力を拡大し、ベストを尽くすことを我々はお約束する。
 皆様の(メーカーズマークに対する)信頼、ロイヤリティ、そして情熱はかけがえのないものだ。我々は、それを見失わないようにしなければならない。メーカーズマークをつくるとはいかなることかを、我々に思い出させてくれた皆様の思いに感謝する。
 我々は(ビル氏の)父であり(ロブ氏の)祖父である、ビル・サミュエルズ・シニアなどの祖先が行なっていた、手づくりのバーボンという原点に立ち戻りたい。同じ製法、同じ工程、同じ商品で。
(中略)そして、皆様がどう思っているのか、ときに蒸留所にお越しになって我々に教えてほしい。それは我々にとってたくさんのものを授けてくれると思うから。
 アルコール度数引き下げの通達の中で、メーカーズマークは「商品テストを行ない、味覚に変化はないことを確認している」と説明していたが、世論は懐疑的な見方を示していた。元記事のタイムが引き下げ報道時、アルバ・ウェルタ氏というバー・マネージャーに取材したところ「アルコール度数はカクテルをつくる上でも重要な要素。低い度数では明らかに違うものが出来るはずだ」という回答を受けている。

 また同じく元記事によれば、米国内で「度数を引き下げるより、価格を上げるのが先では」という意見があったといい、本サイトの記事掲載でも同様の意見が起こっていた。しかしビル・サミュエルズ・ジュニア社長は、これを否定し、以下のようにコメントしている。
「35年の経営者生活の中で、需給の問題は何度もあった。20回以上あったと思う。しかし、価格設定によっ(て打開しようとし)たことは一度もない。私は既に引退しているが、ある文化が(メーカーズマークの中に)生き続けている。それは『顧客に粗相をしてはならない』という文化だ」


<関連記事>
メーカーズマーク(今回の声明の記載あり)
バーボン「メーカーズマーク」、需要過多でアルコール度数引き下げへ(CNN)

2013年2月17日日曜日

ペルノリカール、オーストラリアでバーテンダー向けiPadアプリ制作(4バーズ)

 ペルノリカールグループのペルノリカールオーストラリアが、iPad用アプリ「メゾン(MAISON)」を制作した。バーテンダーに対し行なっているトレーニング・プログラムで使うもので、ウイスキー蒸留所やカクテルについてなどが学べるようになっている。

 プログラムに携わるベン・デヴィッドソン・ブランド育成マネージャーは「メゾンは新人、経験者問わず、知識に貪欲でホスピタリティ業界でのキャリアの先を見据えているバーテンダーのためにつくられた」と説明する。開発に2年を費やし、その間、バーテンダーが何を欲しているのか、リサーチを続けたという。

 現時点ではトレーニング・プログラム向けということで、App Storeなどでの販売、配信は行なっていない。



Pernod Ricard launch iPad-based training(4バーズ) ペルノリカール、中間決算発表――クエルボ買収に「議論はオープン」とプランゲCEO (BBC他)

2013年2月16日土曜日

ラム「ロンデジェレミー」、カナダ・マニトバ州での販売再開――著名ポルノ俳優がプロデュース(スター)

 カナダ・マニトバ州で13日、ラム「ロンデジェレミー(Ron de Jeremy、写真)」の販売が再開された。米ポルノ俳優、ロン・ジェレミー氏がプロデュースしたラムで、ラベルには同氏の肖像が描かれている。こうした事実から「モラル上の問題がある」とマニトバ酒類規制委員会(MLCC)が州内で同商品を取り扱う26の販売店に、撤去するよう指示していた。

Porn star Ron Jeremy’s rum back on Manitoba shelves(スター)
http://www.thestar.com/news/canada/2013/02/14/porn_star_ron_jeremys_rum_brand_pulled_from_manitoba_stores.html

 ロンデジェレミーはワンアイズスピリッツという企業が生産し、マニトバ州では1月下旬に発売。しかし今月4日、州内の販売店から姿を消した。輸入業者、シンプリシティワインズのアンドレアス・ルネソン・マネージングディレクター(MD)は「とてもショックだった。(発売してから販売停止までの)少ない日数で、とても良いパフォーマンスを見せていた」と振り返る。

 販売再開後にMLCCのアンドレア・コワル広報が語ったところによると、消費者からクレームを受けたため撤去を決めたという。しかし撤去後、今度は撤去に対するクレームが起こり、結局、MLCCの上部機関が指示を撤回することになった。
「我々も慎重になり過ぎてしまった。商品名やラベルに不適切な点はない。そもそも、酒は大人だけのものだ(コワル広報)」

 前出のルネソンMDは販売再開に安心する一方、不安も持つ。今回の一件でMLCCとの更なるコミュニケーションが必要であることが明らかとなり、また、年内の同商品発売を検討しているオンタリオ州でも、同じ事態が起こることを懸念するためだ。この点について、オンタリオ酒類規制委員会のヘザー・マグレガー広報は「現時点で、評価する立場にない」と明言を避けている。


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ロンデジェレミー
ウオトカ「ソビエスキー」のメーカー、経営不振で株主総会開催へ――ブルース・ウィリス氏は再建策同意の意向(フランス24)
ジョージ・クルーニー氏のテキーラ、リリースへ(ニューヨークポスト)

2013年2月15日金曜日

ペルノリカール、中間決算発表――クエルボ買収に「議論はオープン」とプランゲCEO (BBC他)

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 仏酒造大手ペルノリカールは14日、中間決算(2012年7〜12月期)を発表した。売上高=49億700万ユーロ(約6060億円)で前年同期比6%増、営業利益=14億5900万ユーロ(約1800億円)で同6%増だった。

 一見、堅調に推移しているように見えるが、昨年度中間決算時の有機的成長率が11%であったのに対し、今期は3%で、外部的要因を除いた実質値でも5%に留まっている(※)。そのため、元記事のBBCは「近年見られた、世界的なスコッチ・ウイスキーの急成長が終わった」と悲観的な見方を示している。

Pernod Ricard: Scotch whisky sales 'flat'(BBC)

 一方、テキーラ・ブランド「ホセクエルボ」についてピエール・プランゲCEOは「議論はオープンに行なう」とコメントし、買収などの可能性をしなかった。ペルノリカールのライバル企業であるディアジオがホセクエルボの買収交渉を進めていたが、昨秋、これが決裂。今年6月をもって、ディアジオはホセクエルボの世界的販売を終了する。

 ホセクエルボのオーナー一族であるベックマン家が家族経営を望んでいることに加え、販売量が全てのテキーラ・ブランドの中で世界一であることから同ブランドの価値は30億ドル(約2780億円)に上ると言われている。そのため、ペルノリカールがただちにホセクエルボの経営に参画することは容易ではないが、今回の発言で、同ブランドに関する新たな動きが起きることになるかもしれない。

Pernod ‘open’ to talks on Jose Cuervo(フィナンシャルタイムズ)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/a0ec7ba8-76b7-11e2-ac91-00144feabdc0.html#axzz2KvjzmYU9

※有機的成長率は、元から保有していたブランドによってもたらされた収益などを数値化したもの。元記事のBBCは「12%」と表記するが、昨年度中間決算でペルノリカールが発表した数値は11%であり、本サイトではこちらを採用した。また、外部的要因はフランスでの酒税引き上げによる駆け込み需要、中華圏の旧正月が昨年と時期がずれたことを指す。


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ペルノリカール オフィシャルサイト 2012/2013中間決算
「リーマンショック以来、最高の成長」――ペルノリカール決算発表(BBC)
ディアジオ、独自テキーラ・ブランド立ち上げ検討か――USL公開買付はSEBIの承認取得へ(テレグラフ・インディア他)

2013年2月14日木曜日

アサヒHD、海外ファンド2社をオーストラリアで提訴――買収案件での情報提示を問題視(ナショナルビジネスレビュー他)

 アサヒグループホールディングス(アサヒHD、東京都)は14日、投資ファンド「パシフィック・エクイティ・パートナーズ(PEP、オーストラリア)」「ユニタス・キャピタル(香港)」の2社をオーストラリア連邦裁判所に提訴した。アサヒHDは2011年、被告側2社から「インディペンデント・リカー(ニュージーランド/オーストラリア)」の経営権を15億NZドル(約980億円、当時レート)で取得している。アサヒHDの主張では、取引の際、PEPとユニタスが、インディペンデントの企業価値について誤解を与え、また過大評価する情報を提示したといい、その損害賠償請求が提訴の理由だ。

Asahi sues private equity funds over liquor purchase(ナショナルビジネスレビュー)
http://www.nbr.co.nz/article/asahi-sues-private-equity-funds-over-liquor-purchase-ng-135802
アサヒHD、NZ飲料会社買収に絡みPE2社に賠償請求(ニューズウィーク)
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2013/02/94112.php

アサヒHDによる買収によりインディペ
ンデントは、スーパードライの生産ラ
イセンスも取得している
 インディペンデントは1987年、ニュージーランド人のマイケル・アーセグ氏が設立。RTD商品(用語解説)の生産を得意とする他、ビール「カールスバーグ(デンマーク)」「キングフィッシャー(インド)」の生産ライセンスを持つ。また、ウイスキーなどスピリッツの輸入も行なう。

 PEP、ユニタスの2社は、プライベート・エクイティ・ファンドと呼ばれる形態の投資ファンドで、被買収企業の経営権を友好的に取得、直接的な経営関与を行なうことで企業価値を高め、その後、売却するのが特徴。インディペンデントについては2006年、投資ファンド「CCMPアジアパシフィック」から13億NZドル(1030億〜1040億円、当時レート)で取得した。

 アサヒHDの関係筋は、「デュー・ディリジェンス(投資先の調査)を怠ったわけではなく、それよりも、ミスリードや騙すような行ないがあった」と、ナショナルビジネスレビューの取材に答えている。ただ、買収自体は現在でも肯定的に捉えている模様で、今後のインディペンデント経営にも影響はないという。


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サントリー、インド酒造企業に資本参加か?――同国紙が報道(ビジネススタンダード)