今回の背景には、以下の2点が影響している。
ひとつは、今年1月のサントリー(大阪/世界本社=東京)によるビーム(米)買収だ。この買収案件が業界再編の嚆矢になるのではないかとの見方があり、市場ではブラウンフォーマンとバカルディ(英領バミューダ諸島)の経営統合が行われる、といった見方もあった。
もうひとつの背景は、レミーコアントローの業績が下落する可能性が高いことが挙げられる。同社の2014年3月期決算は17日に発表される予定だが、これまで大きな商機となっていた中国の旧正月(2014年は1月31日)での売上が落ち込むと予想される。なぜならば、習近平政権が腐敗防止を目的に高級品の贈答を制限したからだ。冒頭で挙げたレミーコアントローの株価も、1年前は80ユーロ台で推移しており、投資家からの同社に対する懸念は顕著だ。
一方、レミーコアントローはコニャック「レミーマルタン」だけでなく、スコッチ・シングルモルト「ブルイックラディ」、ラム「マウントゲイ」などのブランドを保有する。こうした側面から、規模拡大を図りたい企業にとってレミーコアントローを「買い時」と捉えるのは、自然なことだろう。
今回のできごとの信憑性については、各メディアが『Betaville』をソースとした記事しか発表していないため、現時点で疑問符をつけざるを得ない状況ではある。しかし、業界再編が予想される中、今後も同種の話が出てくる可能性は高い。
Rémy Cointreau shares soar after talk of match-up with Jack Daniel's maker(ガーディアン)
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