アードベッグも積み込まれたソユーズ ロケット |
搭載された無人補給船「プログレス」によって、国際宇宙ステーション(ISS)へ物資を運ぶためだ。
このミッションでは、クルーのための食料品や生活用品、そして実験材料とともに、シングルモルト・ウイスキー「アードベッグ」のニューポット(熟成させていないウイスキー)も積み込まれたという。
Whisky distiller sends malt into space(STV)
といっても、クルーが飲むためにアードベッグは宇宙に持ち込まれたわけではない。
ウイスキーを熟成させる化学分子が無重力・微重力空間でどのように働くかという、れっきとした実験のためだ。
アードベッグのニューポットと共に運ばれたのが、焦がしたオーク(樫)材の破片。
ウイスキー愛好家の方はご存知だと思うが、樽をつくる際、必ずその内側をバーナーで焦がす。
焦がすことで熟成させたウイスキーのフレーバーに影響を与えるからだ。
そして、焦がす程度によってテルペンやタンニンなど、樽材に含有される分子の構成にも影響をもたらす。
当然、これもフレーバーに影響する。
今回、持ち込まれたオーク材にもテルペンが付着されている。
実験の結果如何によってはウイスキーはもちろん、様々な産業での宇宙利用の可能性を広げることになるかもしれない。
今回の実験を行なう宇宙実験企業、ナノロックス(米)のマイケル・ジョンソンCTOは次のようにコメントしている。
「アードベッグ蒸留所から提供された樽材と分子の微重力空間での相互作用を観察することにより、我々はフレーバーというものについてより学ぶことができる。また、既存の食品や香料に新たな応用を加えることもできるだろう。アードベッグにとっても新たなフレーバーを化学的見地から見つけるための、助けとなるはずだ」
また、アードベッグのビル・ラムズデン博士は「この実験は重力と熟成の関係を明らかにする。蒸留所の全員がとても興奮している」と述べた。
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