2013年5月10日金曜日

カリコム、米国と「友好的解決」図る姿勢――ラム助成金問題で(カリビアン360)

 カリコム(カリブ共同体)通商経済開発委員会はラム助成金問題(用語解説)について、米国との間で友好的解決を図っていく方針を示した。2日〜3日、ガイアナ共和国ジョージタウン市内のホテルで開催された第36回委員会で、各国代表者が合意したもの。

 委員会終了後、カリコムは以下の声明を発表した。
「USVI(米領ヴァージン諸島)とプエルトリコのラム生産者が恩恵を受け、また交易を歪めている助成金という制度に対して、満足できる解決がなされるよう、毅然として対応していく。(委員会に出席した各国の)閣僚たちは、米国やその他関係機関との深刻な問題に、あらゆる解決策を探るということで合意した」

 今年初めにはカリコム加盟国であるバルバドスのフローンデル・スチュアート首相が、米当局と協議する意向を言明している。今後、カリコム側の出方を占う上で加盟各国首脳の発言が注目されそうだ。

Caribbean calls for 'amicable solution' in rum dispute with US producers(カリビアン360)
http://www.caribbean360.com/index.php/news/guyana_news/683956.html


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2013年5月9日木曜日

ディアジオのウォルシュCEO、勇退へ――後任はメネセスCOO(ブルームバーグ他)

 酒造大手ディアジオ(英)は7日、ポール・ウォルシュCEOが6月末をもって退任すると発表した。後任にはイヴァン・メネセスCOO(写真)が昇進する。ウォルシュCEOは9月には取締役からも離任するが、来年6月までは引き継ぎのため同社に留まる。

Diageo CEO Walsh Hands Over to Menezes After 13 Years at Top(ブルームバーグ)
Paul Walsh to step down as Diageo chief executive(スコッツマン)
http://www.scotsman.com/business/food-drink-and-agriculture/paul-walsh-to-step-down-as-diageo-chief-executive-1-2921681

 ウォルシュCEOは1982年、同社の前身であるグランドメトロポリタンに入社。1986年にファイナンスディレクター(財務責任者)となり、ギネスとの合併によってディアジオが発足した後の2000年、CEOに就任した。同職在任中は2001年にペルノリカール(仏)と共同でシーグラム(カナダ)酒造部門を買収する実績を挙げた一方、テキーラ・カテゴリーで世界首位のシェアを持つ「ホセクエルボ」(メキシコ)については、創業家との買収交渉が決裂に終わるということもあった。なおウォルシュCEOは昨秋、総額1270万ポンド(約20億円)に上る同社株式を売却したが、現時点でも1500万ポンド(約23億円)相当の株式を保有しているという。

 昇進が決まったメネセスCOOは北米等の責任者を務めた後、昨年3月、COOに就任。カシャーサ「イピオカ」(ブラジル)や白酒「水井坊」(スイジンファン、中国)といったローカル・ブランドをポートフォリオに収めるにあたり、中心的役割を果たした。投資家、メディアの間では、就任直後からウォルシュCEOの後継になるのではないかと目されていた。

 メネセスCOOはブルームバーグの電話インタビューに「会社を形づくったポールのそばで仕事ができたことは、私にとって幸運だった。我々の戦略はクリアで、決して複雑ではない。既存の戦略を継続していく」とコメントした。毎年6%ずつの売上拡大という現在掲げている目標を達成することが、新CEOの当面の仕事になりそうだ。


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2013年5月4日土曜日

SSポリティシャン号のウイスキー、オークションサイトに出品――映画「ウイスキーガロア」の題材(スピリッツビジネス)

 映画「ウイスキーガロア」に登場する商船SSポリティシャン号の積荷であったウイスキーが、オークションサイト「スコッチ・ウイスキー・オークションズ」に出品される。2本1組で、始値は3200ポンド(約49万円)。

WHISKY GALORE BOTTLES UP FOR AUCTION(スピリッツビジネス)
http://www.thespiritsbusiness.com/2013/04/whisky-galore-bottles-up-for-auction/

 SSポリティシャン号は第二次世界大戦時に稼働していた英国の商船だが、1941年2月、スコットランド・ヘブリディーズ諸島のひとつであるエリスケイ島で座礁。戦時のため酒に飢えていた島民が積荷であった大量のウイスキーを盗み、発覚後は逮捕者も出した。もっとも、当地ではこの出来事を喜劇的に捉えられており、前述の通り映画化もされている。

 今回出品されたボトルは1987年にドナルド・マクフィー氏というサウスウイスト島(エリスケイ島と同じくヘブリディーズ諸島に位置する)の住民が海底から引き上げたもの。マクフィー氏は全部で8本のボトルを引き上げていたが、そのうちの2本をオークションハウス「クリスティーズ」に出品し、4000ポンド(約62万円、現行レート)を得ていた。しかし最近になって買い手が亡くなり、親族が遺品である当該ボトルをあらためて同サイトに出品する運びとなった。

 同サイトのビル・マッキントッシュ・ディレクターは「島民が海に飛び込み、船底からウイスキーを盗み出すという狡猾なアイディアを、皆が愛している。今回出品されるものは本物で、クリスティーズに出されたものと同じだ」とコメントした。

 オークションは4日〜5日に行なわれる。


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