2012年8月29日水曜日

ディアジオ、モルト限定版ボトルをリリース――ブローラ、ポートエレンも(ウイスキーマガジン)

酒類コングロマリットのディアジオ(英)は、今秋にシングルモルトウイスキー7銘柄・8種類の限定版ボトルをリリースすると発表した。
全てカスクストレングスの商品になるという。

Diageo Announce 2012 Collection of Ltd Ed. Single Malts(ウイスキーマガジン)

リリースされるモルトは下記の通り。

・オスロスク30年
・ブローラ35年
・カリラ14年
・ダルウィニー25年
・ラガブーリン12年
・ラガヴーリン21年
・ポートエレン32年
・タリスカー35年

同社ウイスキー・アウトリーチ責任者のニック・モーガン氏は「愛好家、コニサー(鑑定人)たちが今回リリースされるモルトにあらためて興味を持ってもらえればと願っている」とコメントした。

ブローラ、ポートエレンはともに、1983年に閉鎖されている。
約30年経過していることからストックも減少する一方であり、世界的ウイスキー需要の高まりを鑑みれば多数の購入希望者が殺到することも考えられる。

2012年8月26日日曜日

ウッドフォードリザーブが創業200周年(イグザミナー)

バーボンウイスキー「ウッドフォードリザーブ」が25日、創業200周年を迎えた。
記念式典が同日夕方よりウッドフォードリザーブ蒸溜所内にて開かれ、バーボンとともに当地の料理が振舞われたという。

元記事では、グレンズクリークから採取される仕込水や、スコットランド製のポットスティル、原料などについて紹介。
また、同蒸溜所で毎日行なわれているビジター向け「バーボン・ディスカバリー・ツアー」についても触れられている。

同ツアーの参加費用は1人7ドル(約550円)。
ツアーガイドが同行し、工程が見学できることはもちろん、バーボンとチョコレートの食べ合わせを楽しむこともできるという。

また、同蒸留所は近隣の蒸留所とともに「ケンタッキー・バーボン・トレイル」を構成。
ビジター向けツアーを開催する蒸留所の連合体で、同蒸留所の他、ジムビームやワイルドターキーなども参加している。
昨年はこのバーボン・トレイルに延べ50万人以上のビジターが参加した。

Woodford Reserve Distillery celebrates 200 years(イグザミナー)http://www.examiner.com/article/woodford-reserve-distillery-celebrates-200-years


<関連記事>
建州知事が台湾、日本を訪問(KYフォワード) スコッチ三銃士が米国でモルトウイスキーづくり(ザ・サン)

2012年8月24日金曜日

ディアジオが2012年度の決算発表――ホセクエルボ買収交渉は継続(ロイター他)

酒造最大手のディアジオ(英)は23日、2012年6月期決算を発表した。
利払い・税引き前利益は32億ポンド(約4,000億円)で、前年比9パーセント増(為替変動を織り込んだ実質ベース)。
1株あたり43.5ペンス(約54円)の期末配当を実施し、こちらは前年比8パーセント増となる。

Diageo raises dividend on Asia, Africa prospects(ロイター) 英ディアジオ:通期は増収増益-米国と新興国が欧州の不振補う(ブルームバーグ日本語版)

Deirdre Mahlan
他社、ならびに、この数年の傾向と変わらず、アジア、アフリカ、そして中南米といった新興国地域の売上が好調だが、新年度がスタートしてからのこの2ヶ月間、北米地域の売上も芳しく「プレミアムブランド、スーパープレミアムブランドが強いパフォーマンスを見せている(ディルドレ・マロンCFO・写真)」という。

また、ホセクエルボ買収交渉については、「現オーナーであるベックマン家との交渉は継続している(同)」と述べた。
世界市場におけるホセクエルボの流通・販売は同社が務めているが、その契約は来年6月に終了する。
流通契約の更新停止というカードをちらつかせながらも、早期に決着を図る構えだ。
なお、ロイターによると、ホセクエルボの資産価値は34億ドル(約2,700億円)に上るという。


<関連記事>
ディジアジオのクエルボ買収交渉が佳境に——「近日中に合意の見込み」と関係筋(ロイター)

2012年8月23日木曜日

アイルオブアラン、伊勢丹の女性従業員を大使に任命(ドリンクスビジネス)

スコッチ・シングルモルトのアイルオブアラン蒸留所は、大手百貨店、伊勢丹でバー・酒販業務に従事するManni(マンニ?)・ケイコさんとヤマダ・スエコさんを「大使」として任命した。

WHISKY WELCOMES FEMALE INFLUENCE(ドリンクスビジネス)

同蒸留所が生産する「アランモルト」の販売に貢献したことや、業界内での女性の影響力向上が評価されたことによるもの。
今後の女性に対するマーケティング拡大もManniさん、ヤマダさんに期待しており、アランモルト日本代理店であるウィスクイーの仲介で、二人は蒸留所を訪問した。

同蒸留所のルイザ・ヤング シニア・ブランド・ディレクターは、次のようにコメントしている。
「我々の輸出事業において、アジア、特に日本はキーマーケットだ。ウイスキー業界は世界的に女性の役割が拡大しており、彼女たちは大使という立場から女性により影響を与えいく」

この言葉どおり、モルトウイスキーの業界では女性の責任者が増えつつある。
ヤング・ディレクター自身も女性であるし、モリソン・ボウモアやペンダーリンでは女性のブレンダー、ディスティラーが活躍している。

また、モルト・ウイスキー愛好家団体であるスコッチモルトウイスキーソサイエティ・オブ・アメリカ(SMWSアメリカ)のアラン・シェイン代表によると、会員の13パーセントは女性であるという。
18年前、SMWAアメリカ発足時の女性が占める割合は2パーセントに留まっていたことから、女性のウイスキーファンが着実に増えていることも窺える。


<関連記事>
インドで「ウイスキー女子会」——ル・メリディアン役員が創設(ザ・パイオニア)
化粧品売場で売られるお酒——スパークリングリキュール「ヌーヴォ」、TR商品として販売開始(ザ・ムーディ・レポート)

2012年8月20日月曜日

パトリック・リカールさん死去――ペルノリカール元会長、67歳(BBC他)

仏酒造大手、ペルノリカール元会長のパトリック・リカールさん(写真)が17日、心臓発作により南仏・トゥールーズの病院で亡くなった。
67歳だった。

Patrick Ricard of global drinks firm Pernod Ricard dies(BBC)
Pernod Ricard chairman dies(スカイニュース)

パトリックさんは同社創業者である故ポール・リカール氏の息子として、1945年に生まれた。
ペルノ社との合併によりペルノリカールが発足した3年後の1978年、会長に就任。
以後、同社の成長戦略において中心的役割を果たし、2008年にアライドドメックをフォーチュンブランズ(現ビーム)とともに買収、世界2位の酒造企業に育てあげた後、会長職から退いた。
なお、2006年には米経済誌「フォーチュン」のヨーロピアン・ビジネスマン・オブ・ザ・イヤーを受賞している。


(写真の周囲が仕様のため白枠となっております。ご理解賜りますよう、お願い申し上げます)


<関連記事>
ペルノリカール、オールボーを売却——韓国ではハイトジンロを買収(ドリンクスビジネス)

2012年8月18日土曜日

ディアジオとカリブ諸国間に通商問題が勃発(スピリッツビジネス)

西インド諸島ラム製造者協会(WIRSPA)、ならびにカリブ共同体(カリコム)は、英・酒類コングロマリットのディアジオが米国内で販売するラムの価格が不当だとして、世界貿易機関へ提訴する構えだ。
WIRSPAの主張は、米領ヴァージン諸島(USVI)でディアジオが生産するラム「キャプテンモルガン」が、米政府より助成金を受ける中でつくられることから不当に安い価格で販売され、WIRSPA加盟国業者のラムが損害を受けている、というもの。
ディアジオは現在のところ「不毛な議論」と、静観する方針を見せている。

DIAGEO’S CARIBBEAN RUM DISPUTE(スピリッツビジネス)

WIRSPAはカリブ地域各国のラム製造者協会が集まる連合体だが、米国、USVIに関連する団体は加盟していない。
また、国際貿易センター(スイス)による統計では、2012年第1三半期におけるカリコム域内で生産されたラムの米国への輸出量は、前期比39パーセント増となっている。
WIRSPAとしては、米国への輸出が増える中で、正当な競争環境をWTOに求める模様。

一方、ディアジオの広報は「生産されるラムは高級カテゴリーであることから競合関係にならず、また、USVIで生産されたラムの出荷先は米国(本土)に限らない」と反論する声明を出している。


<関連記事>
ラム「キャプテンモルガン」がトレジャーハントを支援——実在したヘンリー・モルガンの沈没船を調査(ブルームバーグ)

2012年8月15日水曜日

40年熟成のグレンゴイン、スコットランドのホテル内限定で販売(ウイスキーマガジン)

スコッチシングルモルト「グレンゴイン40年」が、スコットランド・パースシャーのホテル「ザ・レイクオブメンティースホテル」内のバー(写真)限定で提供される。
価格は1杯=450ポンド(約5万5千円)。

The Lake Of Menteith Hotel Welcomes Rare Glengoyne 40 Yr Old(ウイスキーマガジン)

同ホテルはエジンバラ、グラスゴーから車で1時間ほどの距離にあり、今年の「スコティッシュ・ホテル・アワード」において、ベッドルームデザイン金賞、ワインアンドスピリッツ特別賞など3つの賞を受賞した。
オーナーを務めるイアン・フレミング氏は「今年はこのホテルにとって素晴らしい年であり、ホテルのモルト貯蔵室にはワインアンドスピリッツ特別賞が与えられた。そして、この選りすぐりのボトルをコレクションに加えることができ、嬉しく思う。世界で唯一、グレンゴイン40年を飲める場所になったことに興奮しているし、英国内に留まらず世界中のウイスキー愛好家から人気を得ることができると確信している」とコメントした。

グレンゴイン蒸留所は現在、独立系蒸溜所グループであるイアン・マクロード・ディスティラーズによって保有されている。
同社のダニエル・マーフィー ビジネスディベロップメントマネージャーは「ホテルにいらっしゃるお客様が、グレンゴイン40年で楽しんでいただけることを望む」と期待を寄せる。

<関連記事>
英国のホテルに「最も多くのジンを飲める場所」のギネス記録認定(BBC)

2012年8月13日月曜日

フェイマスグラウス、世界最大ボトルでギネス認定――創立107周年の記念企画で(プレスアソシエーション)

写真: (C)2010 Fett Images, all rights reservedフェイマスグラウスがジャックダニエルを抜き去る――スコッチブレンデッド・ウイスキー「フェイマス・グラウス」はブランド創立107周年を記念し、巨大ボトル(写真)を製作した。
これまでジャックダニエルが巨大ボトルのギネス記録を保有していたが、フェイマスグラウスはこれを抜き去り、ギネス・ワールド・レコーズからも認定を受けた。

Whisky bottle named world's largest(プレスアソシエーション)

ボトルの容量は228リットルで、高さは5フィート5インチ(約165センチメートル)。
ボトルを満たすのに3時間を費やし、9,120杯分に相当するという(元記事による。1杯=30ミリリットルであれば、7,600杯分となる)。
なお、これまで記録を保持していたジャックダニエルのボトル容量は184リットルだった。

ボトルの製造を請け負ったのはチェコ・プラハ近郊のBOMMAというガラスメーカー。
今後、グレンタレット蒸留所内のビジター向け施設「フェイマスグラウス・エクスペリエンス」において、一般公開される。

グレン・グリボン ディレクターは「この日に向けて、神経を尖らせる日々を過ごしてきた。スコッチ・ウイスキーの本場において、世界最大のボトルという認定を受け、安心している」とコメントした。

2012年8月11日土曜日

ピナクルのブランディングを米大手広告代理店が担当――ビーム(ドリンクスビジネス)

米酒造大手のビームは、4月に買収したウオトカブランド「ピナクル」のプロモーションなどに関わる業務について、同国の広告代理店オグルヴィ・シカゴに委ねる模様だ。

BEAM ANNOUNCES CREATIVE AGENCY FOR PINNACLE(ドリンクスビジネス)

元記事本文では具体的な業務内容は示されていない。
しかし、オグルヴィ・シカゴのリー・ニューマン代表は「ビーム、ピナクルと組むことに興奮している。これは、驚くほど創造的なことをする機会となる。(ピナクルの)ブランドづくりに没頭することが始まる」とコメントしていることから、オグルヴィの得意とするブランディングが中心となることが予想される。

オグルヴィ・シカゴの母体となるオグルヴィ・アンド・メイザーは1946年にデイヴィッド・オグルヴィ氏が設立した広告代理店で、現在は日本を含めた120ヶ国に展開している。