2012年4月30日月曜日

グランツ社オーナー一族、スコットランド2位の富豪に(プレス・アンド・ジャーナル)

英スコットランドのビジネス紙「プレス・アンド・ジャーナル」は、酒造大手ウィリアム・グラント&サンズ(英、グランツ社)のオーナーであるグラント家、ゴードン家の総資産がおよそ18億5千万ポンド(約2,400億円)になったと伝えている。
昨年推定されていた総資産額は14億ポンド(約1,800億円)であり、今回の資産増加でスコットランドの長者番付では2番目の富豪になるという。

Glenfiddich whisky family become billionaires(プレス・アンド・ジャーナル)


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2012年4月28日土曜日

【お知らせ】きょうとあすの更新を停止します

筆者、所用によりきょう28日、あす29日の更新を停止します。
最近お休みが続いて申し訳ありませんが、宜しくお願い申し上げます。

2012年4月27日金曜日

ペルノリカール、第3四半期決算を発表——連結売上高6,700億円(ドリンクス・ビジネス)

仏酒類大手ペルノリカールは26日、第3四半期(1月〜3月)決算を発表した。
単体の売上高は17億ユーロ(約1,800億円)で、前年同期比5%増。
連結では63億ユーロ(約6,700億円)の売上で、こちらも前年同期比で7%伸びている。

PERNOD RICARD SEES EMERGING MARKET GROWTH(ドリンクス・ビジネス)

成長に寄与しているのは、やはり新興国の売上のようだ。
コニャック「マーテル」は、アジア、アフリカ、中東地域で15%の伸びを見せており、また、(元記事では触れていないが)グループ全体の売上でも「アジア・その他地域」は前年同期比(連結)16%増となっている。
ただし、ヨーロッパでは景気停滞による在庫調整、また、中国を中心としたアジア圏では旧正月商戦の割引販売の影響もあるとされ、必ずしも同社にとって満足できる業績ではなかったようだ。

さらに同社は25の取引銀行と、5年間で25億ユーロ(約2,660億円)規模の多通貨建て回転信用ファシリティー契約(定められた与信額以内であれば、繰り返し融資を受けられる契約)を結んだ。
ジル・ボガール財務担当取締役(写真)は、この点につき「ワイン・スピリッツ関連で発生した負債の借り換えが、最終段階を迎えたことを意味する」とコメントしている。

今回の決算発表に関するプレゼンテーション資料は、こちら

2012年4月26日木曜日

ジム・ビームが新たなビジターセンターを建設——WR買収も正式に発表(クーリエ-ジャーナル.com他)

バーボン・ウイスキー「ジム・ビーム」は、旗艦蒸留所と位置付けているクラーモントの敷地内にビジターセンターを建設する。
この秋にもオープンする予定だ。

Jim Beam appoints director for interactive visitors center(クーリエ-ジャーナル.com)
http://www.courier-journal.com/article/20120425/ZONE10/304250022/Jim-Beam-bourbon-distillery-Kentucky-tourism?odyssey=mod%7Cnewswell%7Ctext%7C%7Cs

ビジターセンターには1,800万USドル(約14億6千万円)の建設費が投入され、ホスピタリティ面での責任者にキンバリー・ベネット氏が就任するという。
ベネット氏は野球殿堂や世界馬術選手権のホスピタリティを手掛けた人物。

新たなビジターセンターはバーボン・ウイスキーづくりに捧げられたジム・ビーム家の歴史を7つの時代に分けて紹介する。
また、今までも560エーカー(約226万平米)という広大な敷地内を徒歩で見て回ることができたが、新ビジターセンターのオープン時にはバスによる見学を導入することも検討されているようだ。
年間20万人の集客を目指す(現在は年間約8万人)。


また、先日お伝えした、ビーム(ジム・ビーム親会社)によるホワイトロックディスティラリーズ(WR)買収について、当サイトでの記事掲載直後、ビームより正式に合意に至ったことが発表された。
ウオトカ(ウォッカ)「ピナクル」を生産するWRを傘下に置くことで、これまで手薄だったウオトカ分野での拡販を目指す。


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ビーム、新たな企業買収を実施か?(ロイター)

2012年4月25日水曜日

【お知らせ】本日、更新を停止します

いつもワールドスピリッツジャーナルをご覧いただき、ありがとうございます。
本日、筆者が体調不良のため、更新を停止致します。
申し訳ございませんが、宜しくお願い申し上げます。

2012年4月24日火曜日

ロンドンに新蒸溜所——年内にも操業開始の意向(ドリンクス・ビジネス)

「英国でウイスキー」といえば、シングルモルトにせよ、ブレンデッドにせよ、ほとんどの人がスコッチ・ウイスキーを思い浮かべるだろう。
あるいは少数かもしれないが、ウェルシュ・ウイスキーと考える人もいるかもしれない。

ところがこの度、イングランド——それもロンドンの地に蒸溜所が完成する。
これまで飲料品のオンライン販売を手掛けてきた、ダレン・ルーク氏が設立した運営会社の名は「ロンドン・ディスティラリー・カンパニー」。
ロンドンに蒸溜所がつくられるのは、100年振りだという。

FIRST LONDON SINGLE MALT WHISKY IN 100 YEARS(ドリンクス・ビジネス)

ロンドン・ディスティラリー・カンパニーが位置するのは、ロンドンのバタシーという地域。
3月に会社設立のための出資募集が締め切られ、現在はポットスティル(蒸溜器)がつくられているところ。
ポットスティルの納品までに3〜5ヶ月かかる見込みだが、ルーク氏は9月から10月の初旬までに操業を開始したいと考えているようだ。

ポットスティルが納品されれば、ウイスキーとジンの蒸溜が行なわれる。
どちらもウィルトシャー(イングランド)原産のオーガニックな大麦を原料とする。
また、ウイスキーの熟成にはオーク樽が用いられる。
元記事に特に記載はないが、おそらくジンの生産はウイスキーの熟成期間中にも収入を得るため、という役割も持つものなのだろう。
(タスマニア・ウイスキーのラーク蒸溜所なども同様のビジネスモデルを構築している)

ウイスキー・ラウンジというイベントに出席したルーク氏は「順調に進んでいる」とした上で、次のように語った。
「最終的なゴールは、環境に配慮したウイスキーづくりを首都に戻すことだ。それが成し得られれば、蒸溜の歴史に1ページを刻むことになる」

ウイスキーの発売は5年後の2017年を予定しているという。


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2012年4月23日月曜日

ビーム、新たな企業買収を実施か?(ロイター)

ウォールストリートジャーナルは、米酒造大手ビームがホワイト・ロック・ディスティラリーズ(米、WR)の買収準備を進めていると報道している。
ロイターが事実確認をビームに行なったようだが、現状で反応はない模様。

Beam to buy Pinnacle vodka, rum brand for $600 million: WSJ(ロイター)

WRはウオトカ(ウォッカ)「ピナクル」やラム「カリコ・ジャック」などの製造元で、これまで独立系のメーカーとして運営されてきた。

ウォールストリートジャーナルの報道によると、ビームはキャッシュでの買収を検討しているとのことで、用意された額は6億USドル(約488億円)。
昨年末には、アイリッシュ・ウイスキーのクーリー蒸溜所がビームによって9,500万USドル(約77億円)で買収されている。
ビームは、ディアジオ(英)、ペルノ・リカール(仏)に次ぐとされる酒造大手で、バーボン・ウイスキー「ジムビーム」やスコッチ・シングルモルト・ウイスキー「ラフロイグ」の蒸溜所・ブランドを保有している。


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2012年4月22日日曜日

ウイスキー映画『ジ・エンジェルズ・シェア』がカンヌに出品——評論家のチャールズ・マクリーンも出演(スコッツマン他)

英国で、ウイスキーを題材にした映画が完成した。
タイトルは『ジ・エンジェルズ・シェア』。
そして、この映画にはウイスキー評論家のチャールズ・マクリーン氏も出演している。

Role out the barrel as whisky expert lands acting job in The Angel’s Share(スコッツマン)
http://www.scotsman.com/scotland-on-sunday/scotland/role-out-the-barrel-as-whisky-expert-lands-acting-job-in-the-angel-s-share-1-2248735

2012カンヌ映画祭:ケン・ローチ監督作『The Angels' Share(ジ・エンジェルズ・シェア)』 オフィシャル・トレーラー公開(Movie A)

ストーリーは、グラスゴーに住む主人公、ロビー(配役:ポール・ブラニガン)が悪さをして逮捕、懲役刑は免れたものの300時間の地域奉仕活動を命じられるところから始まる。
その後、彼には子どもが生まれ、必然的に今の生活からの脱却が求められていたとき、ウイスキー蒸溜所を見学することになる。
ウイスキーづくりとの出会いが彼の人生を変えていく、という内容。
監督=ケン・ローチ、脚本=ポール・ラヴァーティ。

マクリーン氏は、制作の初期段階からアドバイザー的な役割でこの映画に関わっていた。
そしてボナムズ(実在するオークションハウスで、時折、ヴィンテージもののウイスキーが競売にかけられる)での撮影の後、「役を演じてほしい」と言われたという。
「劇中のオークションに出品されるウイスキーについて説明してほしいと頼まれ、ボナムズに行ったんだ。その後、スタッフから電話がきた。『本当にありがとうございました。映画をつくるのに、とても役立ちます。それで、ケン(・ローチ監督)が映画の中でもあなたにウイスキー評論家の役をやってほしいと言っています』ってね」

ジ・エンジェルズ・シェアは既に、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされている。
製作陣はパルムドール(最高賞)獲得の勝算も持っているようだ。
そして、マクリーン氏は米映画『サイドウェイズ』(2004年公開の映画で、2009年には日本でも小日向文雄主演でリメイクされた)がカリフォルニア・ピノ・ノワール(ワイン)の名声を押し上げたように、人々にウイスキーがどのような酒であるか知ってもらう機会になると考えている。
「お酒を飲んで馬鹿騒ぎする人が多い今の時代に、良いメッセージになる映画だと思う。シングルモルトを飲んで馬鹿騒ぎはしないでしょう。ワインを飲んで馬鹿騒ぎしないのと同じように」

ユーチューブでジ・エンジェルズ・シェアの予告版がアップロードされている。
当然ながら蒸溜所(どこかは分からないが)の中が撮影されているし、スコットランドの風景も楽しめる。

英国では6月に公開予定。
現段階では、日本公開の情報は入ってきていない。
ただ前述の通り、カンヌ国際映画祭への出品が既に決まっているため、日本の配給会社がカンヌで権利を購入する可能性も十分に考えられる。
日本で見ることができたら、本当に嬉しいことである。

2012年4月21日土曜日

英国でまたも偽ウオトカが発覚——今度はイースト・サセックス州(ジス・イズ・サセックス)

英イースト・サセックス州アックフィールドで17歳の少年がウオトカ(ウォッカ)を飲んだところ、体調不良を訴えた。
母親からの通報により関係当局が調べたところ、入手経路であるアナンサモージー・シヴァカラン(Ananthamoorthy Sivakaran)氏所有の商店で、3種類の偽造ウオトカが発見された。
少年が飲んだウオトカも偽造ウオトカと見られる。

Fake vodka sold by retailer made teen violently ill(ジス・イズ・サセックス)

シヴァカラン氏によると、偽造ウオトカは店を訪れた男から購入。
1本8ポンド(約1,000円)で販売していた。
「疑いを持たなかったし、何か悪いことに関与したという認識もない」とシヴァカラン氏は語っている。

しかし、当局によるテストの結果、工業用アルコールの一種であるプロパン2オールが混入していたことが判明。
また、偽造ウオトカの1本には「ドロップ・ウオトカ」という品名表記があったものの、製造者の住所や製造番号の表記はされていない。
当局は責任の所在がシヴァカラン氏にも存在するとして、氏の持つ酒類販売免許を取り消すよう、関係機関に勧告している。

今回は17歳の少年によるウオトカの購入、飲酒(英国におけるスピリッツ飲用の法定最低年齢は18歳)ということもあり、当局はシヴァカラン氏の商店に対して、おとり捜査を行なったが、更なる未成年者への販売は行なわれなかったようだ。

現在、シヴァカラン氏は商店の経営から手を引いた模様。
後継オーナーであるラトナクマー・ネゲスワラン(Ratnakumar Nageswaran)氏は、「シヴァカラン氏と自分との関係を示す証拠がないのであれば、免許を取り消すべきではない」と主張している。



人種差別するつもりは毛頭ないが、シヴァカランとネゲスワランという名は、英語圏の人物ではないように思えるし、もしかしたら移民なのかもしれない。
当局は今回のウオトカを密輸品と見ているようなので、両氏の背後関係から類似の事件を摘発できる可能性もある。
(現段階ではシヴァカラン氏はあくまで「売った」だけだが。また、こうした問題はレイシズムと受け取られる場合もあるから、捜査には慎重さも必要だろう)
17歳がウオトカを飲むことは言語道断だが、今後も他の善意の被害者が発生することが懸念される。
当局による全容解明と事態の終息を期待したい。

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ウオトカ生産高1割減——ロシア当局がアルコール関連の統計を発表(ザ・ドリンク・ビジネス)
英の偽ウオトカ事件、リバプール市議会が商品を名指しで注意喚起(WSJオリジナル記事)

2012年4月20日金曜日

キャプテン・モルガンの新商品「ブラック・スパイスト・ラム」がリリース(ドリンクス・ビジネス・レビュー)

酒類コングロマリットのディアジオ(英)は、スパイスト・ラムのブランド「キャプテン・モルガン」のポートフォリオに「ブラック・スパイスト・ラム」(写真)を追加すると発表した。

Diageo adds Captain Morgan Black Spiced Rum to portfolio(ドリンクス・ビジネス・レビュー)

アルコール47.3パーセントのブラックストラップ・ラムをベースに、クローブとカッシアという2種類のスパイスが加えられたもの。
また製造プロセスでは、黒くなるまでチャー(バーナーで焦がす)されたオーク樽でフィニッシュされている。

写真では分かりづらいが、ラベルにヴィンテージの羊皮紙が用いられ、デザインの一部はボトルに埋め込まれた形(原文による。おそらく、エンボス加工のように立体的に見える加工がなされているものと思われる)になっているという。

750ミリリットルボトルで、米国内の小売価格は21.99USドル(約1,800円)。
ヨーロッパでも発売予定だ。

2012年4月19日木曜日

ボウモアの新作、フェイスブックで商品名を選挙(WSJオリジナル記事)

シングルモルト・ウイスキーの蒸溜所であるボウモア(英スコットランド・アイラ島)は、年内にも米国内限定・販売本数限定の新作をリリースする。
そして、この新作の名はフェイスブック上の投票で決定されるという。

この新作は、ファーストフィル(初回樽詰め)のバーボン樽で10年熟成され、ノンチルフィルター(非冷却ろ過)でボトリングされたカスクストレングスだ。
プレスリリースを読む限りでは、荒々しい、非常にスモーキーなものに仕上がっているように見受けられる。

投票はボウモアのフェイスブックページで今日19日から5月18日にかけて行なわれる。
選考方法は、2つの候補名から選ぶ形だ。
その候補名のひとつは「DORUS MOR」。
ゲール語で「アイラ島の荒々しく、予測できない水」を意味する。
そしてもうひとつは「WHIRLPOOL」で、水が渦を巻いていることを表す。

得票数の多い方が新作の名となり、当選した候補名を選んだユーザーにはハンドメイドのブレザーが贈呈される(何名に贈呈されるかは不明)。

名前の決まった商品は、今年の秋から冬にかけて米国内でリリースされる予定。
1,200本の限定発売で、アルコール55.1パーセント。
内容量は750ミリリットル、予定される価格は119.99USドル(約9,800円)。


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2012年4月18日水曜日

アデルフィ蒸留所、再開発の承認を得る(スコッツマン)

アデルフィ蒸溜所、再開発後のイメージ
英スコットランド・ハイランド地区議会はアデルフィ蒸溜所の再開発に承認を与えた。
一部に拙速な工業化を懸念する声があったため、議員団がグレンベッグ村に存在する同蒸留所を視察したが、今回採用された自前の水力・火力エネルギーは環境面でも持続可能なシステムと判断されたようだ。

New Ardnamurchan whisky distillery approved despite environmental warning(スコッツマン)

同蒸溜所は1826年、チャールズ・グレイ、デイビッド・グレイの兄弟によって設立。
以後、所有者が転々としたが、現在はキース・ファルコナー氏が会長を務め、ウイスキーライターのチャールズ・マクリーン氏が商品プロデュースに加わっている。

ファルコナー会長は今回の決定に「(アデルフィ蒸留所が存在する)アルドナマッカン半島の名を世界のマーケットに広めたい」とコメントした。

今回の再開発により、ビジターセンターも設けられるという。



水力はまだしも、火力エネルギーが環境的な影響が少ないという点に疑問を持たれる方もいるかもしれない。
筆者は、他のメディアから発信された同じ内容のニュースも確認したが、明確な理由を述べているものはなかった。
(ただ、少数ながら雇用を創出する点も議員団に評価されているようだ)
もっとも、対環境面での何らかのエビデンスが存在した上での決定だと信じたいし、その続報を待ちたい。
また、詳細を知る(あるいは筆者の訳に誤りがある場合なども含めて)読者の方がいらっしゃったら、是非、ご教示いただきたい。

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スコットランドのキャディー、蒸留所を創設する(スコッツマン)

2012年4月17日火曜日

髑髏のテキーラ「カー」、50ミリリットル・ミックスボトルをリリース(WSJオリジナル記事)

米酒類販社のドリンクス・アメリカズ(ドリンクス社)は16日、テキーラ「カー」(写真)の50ミリリットルボトルをリリースすると発表した。

ドリンクス社は昨年6月に発足、カーもその3ヶ月後から取扱いが開始されたばかりだが、髑髏の形をしたインパクトのあるボトルはファンも多く、日本国内でも並行輸入で流通している。
その特徴的な外見からギフト向けの需要もあり、米国内の流通業者、小売業者の要望から、ミニチュアサイズのリリースの踏み切った。
なお、中身となるテキーラは「ブランコ」、「110プルーフ・レポサド」、そして「アニェホ」の3種類がブレンドされた、ミックスボトルとなる。

プレスリリース

2012年4月16日月曜日

焼酎、日本酒を「国酒」に——古川特命相が海外展開の方針を言明(デイリー・ヨミウリ他)

古川内閣府特命担当大臣(経済財政政策、科学技術政策)古川元久内閣府特命大臣(写真、経済財政・科学技術担当)は14日、焼酎、日本酒を「国酒」と定義し、海外市場に展開する方針を明らかにした。
造り酒屋である高橋酒造店(秋田県美郷町)を視察した後、報道陣に語ったことによるもの。






Govt to designate sake, shochu as 'national alcoholic beverages'(デイリー・ヨミウリ)

古川経財相:来県 「秋田の再生は日本の再生」 /秋田(毎日)

古川特命相は「焼酎、日本酒は良質な米や水からつくられる、日本文化のひとつだ。これらが国際市場に浸透できる力があると、信じている」と述べ、生産拡大に伴う米の需要拡大や地域活性化を目指す。

焼酎、日本酒産業の中で、大企業と呼べるメーカーは一握りにすぎない。
多くは中小企業であることから、海外市場を独自に開拓してゆくのは非常に困難である。
そのため、政府としてブランドイメージ強化や製品の改善、海外市場の情報収集を支援していく方針だ。



国内市場が冷え込んでいる中で、海外に活路を見出すことは当然のことであるし、政府にはこれをリップサービスで終わらせず、輸出産業としての育成に邁進してほしいと思う。
しかし酒類産業の場合、他の製造業とは異なり、内需拡大の余地も残されているのではないかと感じる。
若年層の酒離れが進んでいる現状や、国内大手メーカーが他業界とのシナジーで商品開発を進めている事実があるからだ。
こうした問題やスキームをスケールダウンして検討することで、中小企業にも対応できる体制づくりも可能なのではないだろうか。


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ニューヨークで焼酎・泡盛イベント開催(PR Web他)

2012年4月15日日曜日

F1ドライバーのバトンがジョニーウォーカー・ハウスを訪問(ドリンクス・ビジネス)

Jenson Button自動車レース、フォーミュラ1(F1)ドライバーのジェンソン・バトン選手(写真・英、マクラーレン・メルセデス所属)が11日、中国・上海にあるジョニーウォーカー・ハウスを訪れた。
この8年間、ジョニーウォーカーはマクラーレンをスポンサードしており、今回は両者のタイアップである「ステップ・イン・ザ・サーキット」キャンペーンの一環として企画されたもの。

BUTTON CREATES JOHNNIE WALKER BLEND(ドリンクス・ビジネス)

ジョニーウォーカー・ハウスはジョニーウォーカーが初めて英国外につくった商品PRのための施設で、富裕層を対象としたものだ。

バトン選手は到着すると、ディアジオのニック・モーガン氏からハウスを案内され、またブレンディングについての説明を受けた。
そして、バトン選手自らブレンドしたいウイスキーを選び、後日、ジム・ビバリッジ マスター・ブレンダーの手によって、実際にブレンドされるという。
ブレンドされたものは「ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス・エディション」として、ハウスの招待客限定で、3万ポンド(約385万円)で販売される予定。
購入者はグランプリの開催地に招待され、マクラーレンのホスピタリティ・ブースに入場できる資格が与えられる。

F1世界選手権第3戦の中国グランプリ決勝は、本日開催される。
現在、バトン選手はドライバーズランキング3位で、同僚のルイス・ハミルトン選手は2位と、ともに選手権の上位を争っている。
また、コンストラクターズ選手権ではマクラーレンが現在、首位。


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2012年4月14日土曜日

グレンリヴェット「シングルカスクエディション」に新商品(ドリンクス・ビジネス・レビュー他)

英酒造大手シーバスブラザーズは、シングルモルト・ウイスキー「ザ・グレンリヴェット・シングルカスクエディション」のポートフォリオに新商品を追加すると発表した。
追加されるのは「ガーディアンズ・シングルカスクエディション」、「ヘリオス・シングルカスクエディション」、そして「ジョシー・シングルカスクエディション」の3種。

Chivas to expand Glenlivet portfolio with Rare Single Cask Editions range(ドリンクス・ビジネス・レビュー)

The Glenlivet Launches Rare Single Cask Editions - 10th April, 2012(プラネット・ウイスキーズ)
http://www.planetwhiskies.com/latest_whisky_news/glenlivet_launches_rare_single_cask_editions_10th_april_2012.html

まず、「ガーディアンズ」はグレンリヴェットの一般向け会員組織、ガーディアンクラブのメンバーによって選ばれたカスクがボトリングされている。
2011年にロンドンにて開催された、会員限定イベントで選ばれたもので、セカンドフィルのシェリー・バット(シェリー樽として用いた後、一度、ウイスキー熟成に使用された樽)で18年熟成されたものだ。
こちらは、631本のボトルをガーディアンクラブのメンバー限定で販売、あるいはサンプル提供される。

一方「ヘリオス」と「ジョシー」は、(地域と販売店が限定される可能性はあるが)世界的に販売される模様。
「ヘリオス」はセカンドフィルのホッグスヘッド樽で20年熟成したものをノンチルフィルター(非冷却ろ過)でボトリングされたものだ。
また、「ジョシー」は熟成方法等は明らかにされていないが、「ジョシーの泉」というグレンリヴェットの仕込水から命名されている。

価格も明らかではないが、これまでリリースされたシングルカスクエディションは150ポンド(約1万9千円)からの価格帯で販売されている。

2012年4月13日金曜日

詰替用シャンプー? いいえ、お酒です——マリブ、2商品をカナダでリリース(ストック・ハウス)

ペルノリカールグループの一社で、マリブのカナダ代理店であるコービーは、フレーバード・ラム「マリブ・フレッシュ」とプレミックスカクテル(用語解説参照)「マリブ・ピニャコラーダ」を期間・地域限定でリリースした。

Malibu® Coconut Rum Brings Summer to Canada Early this Year(ストック・ハウス)

マリブ・フレッシュは通常版のココナッツに加えて、ミントのフレーバーが加わった商品。
アルコール21パーセントで750ミリリットル・ボトル。
価格は20.95〜25.99カナダドル(約1,700円〜約2,110円)。

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パッケージが斬新な「マリブ・ピニャコラ
ーダ」(元記事より転載)
一方、マリブ・ピニャコラーダは、その名の通りカクテル「ピニャコラーダ」(ラムベースでココナッツミルク・パイナップルジュースを一緒にシェイク)が味わえる商品だ。
またパッケージはボトルではなく、袋のようなポーチタイプで、目新しいデザインとなっている。
こちらはアルコール15パーセントで、1.75リットル・ポーチ。
価格は29.95カナダドル(約2,440円)。

また、カナダ国内でも販売地域が限定されており、両商品とも手に入れられるのはアルバータ州、オンタリオ州、サスカチュワン州、そしてノバスコシア州。
マリブ・フレッシュのみ、ケベック州、ニューファンドランド島でも購入できる。

コービーのローラ・ブルース シニア・ブランド・マネージャーは「この数年間、マリブの人気でカナダの人々に南国の味を楽しんでいただいていたが、新たに二つの選択肢が加わった」とコメントした。

2012年4月12日木曜日

ジャネット・ロバーツさん死去——スコットランド最高齢、ウィリアム・グラントの孫(メイル他)

スコットランド最高齢の人物で、英酒造大手ウィリアム・グラント&サンズ(グランツ社)の実質的オーナーであったジャネット・シード・ロバーツさんが6日、スコットランド・ダフタウンの自宅で亡くなった。
110歳だった。
グランツ社を創業したウィリアム・グラントの孫の中で、最後の生き残りでもあった。

Scotland's oldest woman, much-loved matriarch of the Glenfiddick whisky family, dies aged 110(メイル)

Scotland’s oldest woman Janet Roberts passes away at 110(スコッツマン)

ロバーツさんは1901年生まれ。
グラスゴー大、エジンバラ大で学び、卒業後にエジンバラ市内のマクリガー・ドナルド法律事務所に就職する。
そこで夫となる故エリック・ロバーツさんと出会い、1938年に結婚した。
1953年、ロバーツさんの弟で、創業者と同じ名を持つウィリアムさんが急死。
夫妻は家族からビジネスに携わるよう説得を受け、エリックさんは後に会長となったが、彼も1980年に死去。
以後、グラント家の家長として「献身的でしっかりとしたサポート(ロバーツさんの甥、ピーター・ゴードン グランツ社・会長)」を行ない、グランツ社の経営を後押しした。

昨年110歳になった際には、これを記念して1955年蒸溜のグレンフィディックがボトリングされた。
このボトルは、最近のオークションで6万ポンド(約770万円、現行レート)の値をつけている(スコッチ文化研究所・ニュースページより)。
また、誕生パーティーの席では、ロバーツさん本人が祖父、ウィリアム・グラントについて「自分を信じるということ、一所懸命に働くこと、決意を持つことを教えてくれた」と語っていた。

葬儀は18日にダフタウンのモートラック・パリッシュ教会で行なわれる。

アレックス・サモンド スコットランド首相の話
「とても賢い女性だった。悲しみの時を過ごしている彼女の家族、友人の方々にお悔やみ申し上げる」

リチャード・ロッホヘッド スコットランド議会議員の話
「彼女は特別なファミリーの特別なメンバーとして、未来に亘って記憶されることだろう。グランツ社の経営に直接的な関与はしていなかったようだが、大きな役割を果たした」


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55年物グレンフィディック、560万円也(ミラー)

2012年4月11日水曜日

スキニーガールの成長率は388.3パーセント——米調査会社がスピリッツ・トップ250ブランドを発表(マーケティング・デイリー)

スキニーガール・ブランドの
一商品、マルガリータ
食品業界専門の調査・コンサルティング会社、テクノミック(米)は9日、2011年度のスピリッツ・トップ250ブランドを発表した。
出荷ケース数を基に算出されたランキングで、上位陣にはスミノフ、バカルディ、キャプテンモーガンと有名ブランドが並ぶ。
一方、成長率でトップとなったのはプレミックスカクテル(用語解説参照)「スキニーガール」。
58万6千ケースの出荷で、2010年度比388.3パーセントの伸びを示したという。

Skinnygirl Leads Spirits In Volume % Growth(マーケティング・デイリー)
スキニーガールは米国のテレビ番組「リアルハウス・ワイヴス・オブ・ニューヨークシティ」から生み出され、女性をターゲットに、そして健康志向を売りにしている。
あまりの人気から酒類コングロマリットのビーム(米)がブランドの買収に乗り出し、これに成功。
また、開発したバーテンダーのベセニー・フランケルさんも一躍、有名人となった。

スピリッツ全体の売上は2010年度比で3.5パーセント増。
トップ250の全ての銘柄は明らかにされていないが、元記事によればウオトカ(ウォッカ)がランキングの多くを占めているという。
その中でもプレミアム・ウオトカ、あるいはウルトラ・プレミアム・ウオトカの成長も著しいようだ。

2011年の傾向についてテクノミックのドナ・フード・クレカ シニア・ディレクターは、レポートの中で次のように述べている。
「トップ250のうち、一部に景気後退の影響を受けているブランドが存在するのは否めない。しかし、その他のブランドは消費者の様々な要求からくるトレンドにうまく対応している。また、急成長を遂げている商品にはスパイシー、あるいは、甘い風味づけ(フレーバード)されたウオトカ、ラム、ウイスキーがあり、この方向に市場はシフトしていると我々は見ている」

【用語解説】プレミックスカクテル/Premix Cocktail

調合された状態で缶や瓶にパッケージされ、販売されるカクテル商品。
日本市場においては90年代にサントリー「ザ・カクテルバー」がヒットし、他メーカーもこれに続いた。

2012年4月10日火曜日

アードベッグ、宇宙へ行く——米企業がISSで実験(STV)

ソユーズロケットの打上げ
アードベッグも積み込まれたソユーズ
ロケット
昨年10月30日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から1基のソユーズロケットが打ち上げられた。
搭載された無人補給船「プログレス」によって、国際宇宙ステーション(ISS)へ物資を運ぶためだ。
このミッションでは、クルーのための食料品や生活用品、そして実験材料とともに、シングルモルト・ウイスキー「アードベッグ」のニューポット(熟成させていないウイスキー)も積み込まれたという。

Whisky distiller sends malt into space(STV)

といっても、クルーが飲むためにアードベッグは宇宙に持ち込まれたわけではない。
ウイスキーを熟成させる化学分子が無重力・微重力空間でどのように働くかという、れっきとした実験のためだ。

アードベッグのニューポットと共に運ばれたのが、焦がしたオーク(樫)材の破片。
ウイスキー愛好家の方はご存知だと思うが、樽をつくる際、必ずその内側をバーナーで焦がす。
焦がすことで熟成させたウイスキーのフレーバーに影響を与えるからだ。
そして、焦がす程度によってテルペンやタンニンなど、樽材に含有される分子の構成にも影響をもたらす。
当然、これもフレーバーに影響する。
今回、持ち込まれたオーク材にもテルペンが付着されている。

実験の結果如何によってはウイスキーはもちろん、様々な産業での宇宙利用の可能性を広げることになるかもしれない。

今回の実験を行なう宇宙実験企業、ナノロックス(米)のマイケル・ジョンソンCTOは次のようにコメントしている。
「アードベッグ蒸留所から提供された樽材と分子の微重力空間での相互作用を観察することにより、我々はフレーバーというものについてより学ぶことができる。また、既存の食品や香料に新たな応用を加えることもできるだろう。アードベッグにとっても新たなフレーバーを化学的見地から見つけるための、助けとなるはずだ」
また、アードベッグのビル・ラムズデン博士は「この実験は重力と熟成の関係を明らかにする。蒸留所の全員がとても興奮している」と述べた。

2012年4月8日日曜日

フレーバード・ウオトカ「PB&J」がリリース——ヴァンゴー(タイム)

ウオトカブランドのヴァンゴー(オランダ)は、フレーバード・ウオトカ(ウォッカ)「PB&J」をリリースした。

Lunch in a Bottle? Introducing PB&J Vodka(タイム)

PB&Jとはピーナッツバター&ジェリーのことで、これを塗ったサンドイッチは北米のこども達の間でよく食される。
日本で言えば鮭や梅干しなど、おにぎりの中に入る具と同じステータスを持っているものと考えれば良いかもしれない。

当然、このウオトカもPB&Jの風味づけがされている。
ヴァンゴーのティム・ヴォス マスターディスティラーは「ラズベリーの風味の現れ方はベストだと思う。それはフレッシュでフルーティだし、ピーナッツバターとの交わりもとても良い」とコメントした。
しかし、元記事のタイム誌記者は不満もあるようで、「薄いバニラの味しかしないし、香りはピーナッツが圧倒している」と少々辛口に評価している。

スペックは不明だが、日本ではアイビスジャパンという会社がヴァンゴーの代理店を務めている。
日本で発売される可能性もあり、同社からの続報を待ちたいところだ。

(あす9日は更新を停止します)


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2012年4月7日土曜日

ジョニーウォーカー、ラインナップを変更——グリーンラベルは完全廃止、プラチナムラベルが新たにリリース(ザ・ドリンク・ビジネス他)

Green Label Whisky
年内にも姿を消す「ジョニーウォーカー・
グリーンラベル」
ブレンデッドモルト・ウイスキー「ジョニーウォーカー・グリーンラベル」とブレンデッド・ウイスキー「ジョニーウォーカー・ゴールドラベル」が年内にも販売停止となる。
代わって、「ジョニーウォーカー・ゴールドラベル・リザーブ」と「ジョニーウォーカー・プラチナムラベル」が新たにリリースされる予定だ。

JOHNNIE WALKER TO GET RADICAL SHAKE UP(ザ・ドリンク・ビジネス)

Diageo To Rejig Johnnie Walker Lineup(シェークン・ニュース・デイリー)

ディアジオ(ジョニーウォーカー製造元であるジョン・ウォーカー&サンズの親会社)のニコラス・モーガン博士は今回のラインナップ変更について「消費者がジョニーウォーカーブランドの敷居をまたぎやすくするため」と説明する。
「消費者に提供している商品を顧みたとき、我々は消費者の求める味や価格を満たしていないことが判った。今回のラインナップ変更はよりバランスのとれた商品を提供することを意図している(モーガン博士)」

グリーンラベルに関しては今後、数ヶ月の期間で段階的に販売を停止する予定だが、売上が好調な米国市場では1年程度の猶予期間が設定される見込み。
台湾市場はブレンデッドモルトの人気が高いことから、しばらく販売が継続されるようだ。
同様にゴールドラベル(旧)も、年内に段階的に廃止され、こちらも米国市場のみ1年間は販売が継続される。

そして、新発売となる2つの商品についてだが、まずゴールドラベル・リザーブは15年熟成で、クライヌリッシュがキーモルトとなるようだ。
価格は63ドル(約5,100円)
また、プラチナムラベルはキーモルトの銘柄は明かされていないが、ピーティな性格を持つものになるという。
こちらの価格は110ドル(約9,000円)。
2商品ともにブラックラベルとブルーラベルの間に位置する商品となり、5月から6月頃に東南アジアを皮切りにリリースされる。

前出のモーガン博士は「グレンオードとカリラの生産能力は向上したし、他の我々の蒸留所も全力で動いている。ローズアイル蒸留所も建設中だ。これらを背景にジョニーウォーカーのブランド力を向上させていく」と自社の供給能力の高さを強調した。


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2012年4月6日金曜日

ウオトカ生産高1割減——ロシア当局がアルコール関連の統計を発表(ザ・ドリンク・ビジネス)

民族性ジョークに「ロシアでウオトカ(ウォッカ)の消費量が最も少ない月はいつ?」という質問から始まるものがある。
それに対する答えは「2月。日数が少ないから」。
つまり、ロシア人は時期を問わずにウオトカばかり飲んでいる、ということを揶揄したものだ。

しかし現代のロシア人は、以前ほどウオトカを嗜まなくなってきているのかもしれない。
ロシア連邦アルコール市場規制局の発表によると、2011年度のロシア国内ウオトカ生産高は前年比で1割近く落ちているという。

RUSSIAN VODKA PRODUCTION FALLS(ザ・ドリンク・ビジネス)

今回の発表は、生産高だけでなく生産者や流通業者についての統計にも言及されており、まず、酒造免許を保持する生産者が前年比で3割減。
また、卸売業者は5分の1減、アルコール販売店の数は2割減となっており、流通の入口から出口の全てにおいて、縮小していることが示されている。
そして、前述の通りウオトカ生産高は1割の減少となった。

こうした状況を受けて当局は、昨年度より大規模な酒類関係免許の再交付を行ない、規制緩和に動いている。

元記事では、この状況に至った原因や背景が明らかにされていないが、経済成長によりロシア人の嗜好品に対する考え方の変化もあるのではないかと推測できる。

一方、アルコール生産高全体の3分の1を偽造アルコールが占めている。
偽造アルコールは英国を中心に健康被害などが表面化しており、対応が急がれるところだ。


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2012年4月4日水曜日

タムデュー蒸留所が操業再開へ(ハーパーズ)

File:Tamdhu Entrance - geograph.org.uk - 1070533.jpg
正面入口から見たタムデュー蒸留所
の風景(ウィキペディアより)
タムデュー蒸留所(英スコットランド・スペイサイド地方)が来年を目処に、操業を再開する。
同蒸留所はエドリントングループ(英)の下にあった2010年に閉鎖。
しかし最近、イアン・マクロード・ディスティラーズ(英)に売却され再開が噂されていた。

Tamdhu whisky distillery to re-open with premium brand(ハーパーズ)

タムデューの創業は1897年。
グレンゴイン蒸留所再開発を担当した、イアン・マクロードのクリス・ラムズデン氏は「創業期のタムデューは地元の起業家たちが手を組んでつくられた蒸留所だった。当時の先端技術を用い最高のウイスキーをつくり出す、非常に志の高いベンチャー企業だったのだ。我々はその起業家精神とイノベーションをタムデューの新しいブランドイメージに反映させていく」と歴史、今後の展望について語った。

現在——とはいっても休止中ではあるが——の生産能力は、初留用3基と再留用3基の計6基のポットスティルで、年間4百万リットルをつくりあげる。
これは、1972年〜75年にキャパシティー拡大が行なわれことによる数字だ。

(あす5日は更新を停止します)


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ベンリアック、他社蒸留所買収の意向を表明——自社製ブレンデッドの販売を視野(Scotsman.com)

【お知らせ】更新停止予定の変更

きょう4日は更新を停止する予定でしたが、あす5日を更新停止とします。
現在、きょうアップロードする記事を鋭意制作中です。
どうぞ、お楽しみに。

2012年4月3日火曜日

ペルノリカール「アブソリュート・チェリークラン」をリリース(ドリンク・ビジネス・レビュー)

酒類コングロマリットのペルノリカール(仏)は、ウオトカ(ウォッカ)「アブソリュート」のポートフォリオに「アブソリュート・チェリークラン」を加えると発表した。

Pernod Ricard extends Absolut vodka line up(ドリンク・ビジネス・レビュー)

フレーバード・ウオトカで、風味づけされるのはチェリー、白クランベリー、そしてプラム。
カクテルベースとしてだけでなく、コーラとミックスすることで新しい風味が味わえると、ペルノリカールは宣伝している。
アブソリュートブランドはこのところフレーバード・ウオトカの拡充に力を入れており、今回のチェリークランは、「アブソリュート・グレープバイン」、「アブソリュート・マイアミ」に続くもの(元記事による。日本語サイトでは正規輸入がなされていないのか、この2種類は記載されていない)。

なおアブソリュート・チェリークランは、50ミリリットル、750ミリリットル、そして1リットルと、3サイズがリリースされる。
価格は750ミリリットルボトルで21USドル(約1,700円)で、5月1日に発売予定だ。

(あす4日は更新を停止します)


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Gorillazのデザイナーがウオトカボトルをプロデュース——アブソリュート・ロンドン(HAUTE LIVING.com他)

2012年4月2日月曜日

日本酒「HIRO」、英国で発売へ——舞台版『英国王のスピーチ』初日にお披露目(ドリンク・ビジネス・レビュー)

【訂正:4/3追記】舞台版『英国王のスピーチ』開幕は「今月27日」とお伝えしましたが、「3月27日」の誤りです。よって、「HIRO」のレセプションも既に行なわれております。お詫びして訂正致します。

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今月27日より英国演劇の聖地、ロンドン・ウエストエンドで舞台版『英国王のスピーチ』が開幕する。
この舞台をスポンサードするのは、英国向け日本酒ブランド「HIRO」(写真)だ。
年内の本格的な流通を目指しているHIROは、『英国王のスピーチ』舞台初日にVIP向けレセプションを開催する。

Hiro Sake to debut in UK(ドリンク・ビジネス・レビュー)

HIROは竹田広右衛門という武士から名付けられた。
竹田は江戸時代、越後村上藩に仕えた武士で、同時に日本酒通でもあったという。
(新潟県・村上市教育情報センターのホームページに村上藩にまつわる文書がHTMLでアップされており、ここに竹田広右衛門の名が登場する。この人物と同一だとすれば、江戸時代中期の人物だ)
竹田が残した日本酒のレシピが残されており、HIROの製法もこれにインスパイアされたと謳われている。

HIROのラインナップは「純米酒」と「純米吟醸酒」の2種類。
また、オフィシャルサイトにはHIROを用いたカクテルが紹介されており、レセプションでも振る舞われるものと思われる。



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ニューヨークで焼酎・泡盛イベント開催(PR Web他)

【お知らせ】きのうの記事について

きのうの記事「グレンフィディック、ラベルの鹿をせんとくんに変更」は(当然のことながら)エイプリルフールネタです。
グレンフィディックの鹿のデザインは変わりません。

2012年4月1日日曜日

グレンフィディック、ラベルの鹿をせんとくんに変更(WSJオリジナル記事)

1日よりグレンフィディックのラベル
に描かれる、せんとくん
(クリックすると拡大)
酒類コングロマリットのウィリアム・グラント&サンズ(英、グランツ社)は1日、シングルモルト・ウイスキー「グレンフィディック」のラベルデザインを変更すると発表した。
グレンフィディックにはこれまで鹿のイラストが描かれてきたが、今回のリニューアルにより、せんとくんが描かれるという。
せんとくんは平城遷都1300年の際に定められた奈良県の公式マスコットキャラクター。

事の発端は、昨年開催されたイベント「ウイスキー・ライヴ!TOKYO 2011」に遡る。
同イベントのために来日したルーフル・リプイエ グランツ社プロモーション・ディレクターは、都内にある奈良県のアンテナショップ前を通りかかったとき、初めてせんとくんを目にした。
「こどもの頭に鹿の角が生えているということが、何より衝撃的だった」とリプイエ・ディレクターは当時を振り返る。
しかし、グレンフィディックはゲール語で「鹿の谷」という意味であり、これまでもロゴマークに鹿を描き続けてきたことから、「同僚に紹介したら、社内で瞬く間に人気キャラクターになった(リプイエ・ディレクター)」とグランツ社の人々にも親近感を与えたようだ。

その後、東日本大震災が発生。
「『我々の心は常に日本の人々と共にある』ということを伝えたいと考えていた。そのときグレンフィディックに、東京で見かけたあの鹿少年に登場してもらえないか、とひらめいた」とリプイエ・ディレクターは経緯を語った。
そして、グランツ社からグレンフィディック日本総代理店のサントリー酒類へ、サントリー酒類から奈良県へと、せんとくんの採用が打診される。
「当初は奈良県も難色を示していた。せんとくんの商標使用には厳格なガイドラインが定められていたし、何より『酒のラベルに、せんとくんを使うのはいかがなものか』という意見も県庁内にあったようだ」と相場康則サントリー酒類社長は振り返る。

しかし、グランツ社、サントリー酒類、そしてサントリー本社は奈良県と粘り強く、かつ極秘裏に交渉を続け、構想からおよそ1年を経て今回の発表・商品リリースに漕ぎ着けた。

せんとくんが描かれたグレンフィディックは、1日より出荷される。