2012年9月9日日曜日

蒸留所の廃棄物で人道支援――アバディーン大研究者が浄水システムを開発

今年12月から、バングラディッシュのGolaidanga(ゴレイダンガ?)という村で、新開発の浄水システムを利用した給水プロジェクトがスタートする。
このプロジェクトで大きな役割を果たすのが、スコッチ・ウイスキーの蒸留所から廃棄された大麦の「殻」だ。

バングラディッシュは水害が多いため、飲料水に毒物が混入しやすい環境下にある。
世界保健機構によれば、バングラディッシュ国内の1800万人がヒ素汚染された飲料水の利用を強いられているという。

そして、今回のプロジェクトで利用されるのがDramという名の浄水システムだ。
Dramを開発したのは、アバディーン大学(英・スコットランド)のレイ・キャシディー博士とグレイム・パトン教授。
システムの詳細は秘密にされているが、構造そのものは非常に単純だといい、大麦の殻(あるいは、殻が持つ成分?)が毒物と結合することによって、水の浄化が図られるという。
殻はスペイサイドの蒸留所から安価で提供を受けているため、ランニングコストを低減できる。
機器の寿命は25年と長く、また、1時間あたり1000リットルの処理能力を持つ。

バングラディッシュでのプロジェクトの成果によっては、同様にヒ素汚染された水に悩まされる西アフリカでの利用も検討しているという。




<関連記事>
アードベッグ、宇宙へ行く——米企業がISSで実験(STV)

0 件のコメント:

コメントを投稿