2014年1月15日水曜日

好きなお酒で支持政党がわかる?――米共和党系機関が酒類ブランド・投票行動の研究結果発表(マクリーンズ)

beerbubble
ビールブランドを軸とした投票行動に
ついてのチャート。右側が共和党寄り、
左側が民主党寄り。また上に行くほど
実際の投票行動をとる可能性が高い。
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 米国のメディア研究機関であるナショナルメディア・リサーチ・プランニング&プレースメント(ナットメディア)は、有権者の嗜好する酒類ブランドと支持政党、投票率の関係について、研究結果を発表した。同機関は共和党系だが、カナダのビール「ラバットブルー」を共和党員・支持者(リパブリカン)が愛飲し、なおかつ実際に投票行動をとる可能性が高いブランドとして挙げている。カナダの週刊誌『マクリーンズ』はこの結果に「多くのカナダ人はラバットブルーとリパブリカンを連想しないだろう」と驚嘆の念を込めた記事を、ウェブ上に掲載した。

Republicans prefer Labatt Blue and Canadian Club whisky(マクリーンズ)
http://www2.macleans.ca/2014/01/14/republicans-prefer-labatt-blue-and-canadian-club-whisky/

 ラバットブルーは、ベルギーを拠点とし世界各国に生産拠点を持つアンハイザーブッシュインベブが保有するブランド。日本企業の政治献金にも見られるように、アンハイザーブッシュは共和党、民主党どちらに対しても30万ドル(約3100万円)を超える支援を行っているため、元記事では共和党員がラバットブルーを好む理由を「ミステリーである」としている。また、同じくアンハイザーブッシュのビールブランドである「バドライト」は両党支持者の境界線上に位置し、投票率は低いとされている。この理由についてナットメディアのウィル・フェルタス上席副代表は「若者は選挙権をあまり行使しない。バドライトは大学生など若者が好むからではないか」と分析する。

DrinkBubble
ワイン・スピリッツ等を軸としたチャー
ト。表の見方は左上のものと同じ。
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 スピリッツに視点を移してみると、ウイスキーを好むのはリパブリカンである場合が多いようだ。これは「地域の違いによるもの(フェルタス上席副代表)」で、共和党の支持率が高い南部ではウイスキーが人気であるからだという。一方、民主党員・支持者(デモクラット)が好む代表格としてジンやウオトカ(ウォッカ)といったホワイトスピリッツを挙げている。また、コニャックはアフリカ系の人々が好むことから(本サイト関連記事)、デモクラットである度合いが高い酒類ではないかと分析している。

 日本では政党系シンクタンクが未発達で、国民の政治に対する捉え方も異なるから、同様のデータを集計・分析するのは、現状では困難であるだろう。しかし、有権者の投票行動は日常生活からの影響もあるわけだから、今回の結果のように興味深いデータができあがるかもしれない。


<関連記事>
ナットメディア(英文)
世界で最もジンを飲むのはフィリピン人――IWSRがスピリッツ消費動向を発表(ラプラー)
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