2012年11月6日火曜日

スコットランド科学者に「イノベーター・オブ・ジ・イヤー」――蒸留所廃棄物からバイオ燃料への変換技術が評価(スピリッツビジネス)

化学研究者団体インスティテューション・オブ・ケミカルエンジニアズ(IChemE)は、次世代燃料開発企業、セルティックリニューエイブルス(英スコットランド)のマーティン・タングニー代表(写真)に「イノベーター・オブ・ジ・イヤー」賞を授与した。
IChemEは英、オーストラリアなどに拠点を持つ国際的な研究者団体で、例年、革新的な研究を行なった企業、研究機関などに様々な賞を授与している。

WHISKY FUEL SCIENTIST WINS PRESTIGIOUS AWARD(スピリッツビジネス)
http://www.thespiritsbusiness.com/2012/11/whisky-fuel-scientist-wins-prestigious-award/

セルティックリニューエイブルスは、スコッチ・ウイスキーを生産する際の廃棄物を、バイオブタノールに変換する技術を持つ。
ブタノールの成分、性質はガソリンに比較的近いと言われ、エタノールよりもガソリンエンジンへの悪影響が低いと考えられている。
エジンバラネイピア大学の教授でもあるタングニー代表が、これまで蒸留所で副産物とされていた澱や蒸留粕がブタノールの精製に適していることに着目し、同大学で研究を開始。
研究に一定の成果が出たことから、実用化を目指し同社を創設した。

同社の技術は酒造企業、学界に留まらず経済界からも評価を得ており、公営企業であるスコティッシュ・エンタープライズも研究開発を助成している。

「今回の受賞で、スコットランドの企業と科学者がイノベーション、中でも持続可能なエネルギー開発でリードしていることを証明した」とタングニー代表。
またIChemEのサンディー・トビー博士は、タングニー代表が受賞した理由を「100億ポンドが動く化学産業で企業家精神を見せ、ウイスキーに次ぐであろうスコットランドの輸出製品を見つけ出した。彼の開拓者としてのアプローチは賞を受けるに値する」と語った。

なお、IChemE2012アワーズのトッププライズ(大賞、最優秀賞)は、製薬大手のグラクソ・スミス・クラインが受賞した。


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