2012年3月10日土曜日

【コラム】お酒でどれくらい税金払っているか、知ってます?(WSJオリジナル記事)

酒には税金がかかる。
これは万国共通のルールだ。
もし酒税のかからない酒があったとしたら、それは密造酒であり、税制の面からだけでなく健康被害を防ぐ点からも、決して飲んではならない。

ただ、どれだけ酒税を払っているかについては、あまり意識しないことだと思う。
今回のコラムは酒税について書いてみたい。

①スピリッツの税率はアルコール1パーセント=1万円
日本で税の徴収を管轄するのは国税庁、ということで、同庁のホームページを見ると「酒税一覧表(PDF形式)」が掲載されていた。
これによると、焼酎は1キロリットルに対して最低20万円、そしてアルコール20度を超えると1度ごとに1万円が加算されていく。
ウイスキーやブランデーなども最低税額以外は同様の仕組みだ。
すなわち、スピリッツ類はアルコール1パーセント・1キロリットルに対して1万円の税率がかけられていると考えてよい。

スケールダウンして考えてみよう。
筆者が普段飲んでいるウイスキーはアルコール50.5パーセントで容量500ミリリットル(あえて商品名は伏せるが、これだけの情報があれば銘柄は判ってしまうかもしれない)。
500ミリリットルだとアルコール1パーセントに対して5円の税率となる。
小数点の処理はどうすれば良いのか分からないが、とりあえず切り捨ててアルコール度数は「50」として考えると、このウイスキーにかかる税は250円、ということになる。
筆者はこのウイスキーを、ホームセンターの安売りで880円で購入しているから、税の占める割合は28パーセントだ。

また、筆者はこれを3日に1本の割合で飲んでいるから、年間121本買っている計算になる。
250円×121本=30,250円……年間3万円の税金を、ウイスキーを通して支払っている。
もちろん、他に飲む酒もあるわけだから、実際にはこれ以上の税金を払っているのだろう。

②「ビールは税金を飲んでいる」は本当か?
標題の言葉は、発泡酒がまだ存在しなかった筆者の幼い頃から聞く言葉だ。
価格に対して税の占める割合が高い、というのがその意味なのは言うまでもないが、ではこの言葉は本当なのだろうか?

(クリックすると拡大)
ビールの場合、度数などとは無関係に1キロリットルあたり22万円の税がかかる。
これを大びんのサイズ633ミリリットルに合わせて考えると、酒税は139円。
コンビニエンスストアでの代表的な大びんの価格は345円だから、45.1パーセントは税金、すなわち価格の半分近い額が税なのだ。

右は上記の内容を図で表したもので、ビール酒造組合が公表しているもの。
そして、図の上の方に書いてある通り、酒税の乗った状態の価格に消費税5パーセントが掛けられる。
これは、スピリッツでも同様のことだ。

ビールの半分は税金——だから「ビールは税金を飲んでいる」という言葉は真実といっても良いものだと思う。

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