2012年5月21日月曜日

ディジアジオのクエルボ買収交渉が佳境に——「近日中に合意の見込み」と関係筋(ロイター)

ディアジオ(英)によるテキーラブランド「ホセ・クエルボ」(メキシコ、クエルボ)の買収交渉について、関係筋が「(元記事がリリースされた5月15日頃より)今後、6週間以内に合意する見込みがある」と語っている。

Diageo hopes to seal tequila deal soon(ロイター)

昨年行なわれた交渉の際、「ディアジオが我々を欲しがるのは分かる。しかし、家族の結束は固い。売る必要はない(ファン・ベックマン・ヴィダル会長)」という発言があったといい、クエルボのオーナーであるベックマン家は売却を拒否する意向を貫いている。
だが来年6月には、両社が結んでいる代理店契約が満了となる。
クエルボのメキシコ国外での販売をディアジオが行なっているもので、交渉が決裂した場合、ディアジオは代理店契約も更新しない意向だ。
業界2位のペルノリカールが後釜に据わることも考えられるが、市場では「代理店の変更はリスクが高い」と否定的な見方をしている。

一方、クエルボの買収が妥結したとしても、ディアジオにとって明るい将来が確約されるわけではない。
2011年下半期の実績では、ディアジオ全体では5%の売上増を遂げたにもかかわらず、クエルボのそれは11%落ち込んでいる。

それでもディアジオがクエルボ買収を進めるのは、テキーラ市場でのクエルボの圧倒的な強さと、新興国市場での他社との争いがあるからだ。
2000億円産業といわれる世界のテキーラ市場の中で、クエルボは19%のシェアを持ち、これは2番手のブランド「サウザ」の2倍。
また中国市場のシェアでディアジオはペルノリカールの後塵を拝しており、現在、現地酒造メーカーを買収するなど、シェア50%超に向け動きを加速させている。

アナリストはクエルボの価値を30億〜35億USドル(約2,400億〜2,800億円)と見積もっている。
なお、交渉の代理人としてディアジオにはゴールドマン・サックス、ベックマン家にはバークレイズが就いている。


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