2013年3月12日火曜日

ディアジオ、供給体制の再構築へ――費用削減効果=年86億円、労組側は危機感(スコッツマン他)

 英酒造大手ディアジオは11日、今後3年をかけ社内の供給体制を見直す再構築策を実行していくと発表した。1年あたり6000万ポンド(約86億円)の費用削減効果が見込まれるという。しかし、再構築に伴う人員削減が発生する可能性もあり、労組側は危機感を募らせている。

Scots jobs at risk as Diageo unveil restructure plans(スコッツマン)
Diageo Supply Reorganization Will Save 60 Million Pounds a Year(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.com/news/2013-03-11/diageo-supply-reorganization-will-save-60-million-pounds-a-year.html

 発表によると、今回の再構築にかかるコストは1億ポンド(約140億円)に上る。同社広報は「従業員に対する影響はある程度、あるかもしれない」と人員削減の可能性を認め、「決定が下った場合、その概要は最初に従業員と共有することになる」と、可能な限り従業員に配慮することを強調した。

 対して、英国最大のナショナルセンターであるユナイトのジェニー・フォームビー飲料産業担当責任者は「幾らかの不安がある」とし、以下のようにコメントする。
「労働者とコミュニティは、コストカットのために事業所を閉めるという冷酷な決定によって傷ついている。我々のメンバーがリストラクチャーの代償を背負わないために、早期に保証できる方法を検討している」
同責任者の言う「事業所を閉める」というのは、キルマーノック工場(ジョニーウォーカーのボトリング工場)とポートダンガス蒸留所のことだ。これらの事業終了により、850人の職が失われたという。

 スコットランドにとって不可欠となりつつある酒造産業。その存在を担保する企業の利益を優先すべきか、あるいは従業員らの生活を守るべきか、今後、スコットランド政府や世論の動きにも注目が集まる。


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