2013年1月27日日曜日

偽スコッチ・ウイスキー販売に懲役4年の判決――中国(スコッツマン他)

 中国当局は、新疆ウイグル自治区ウルムチ市で「スコッチ・ウイスキー」と称したスピリッツを販売していたとして、卸売業リ・クィホン(Li Cuihong)被告を起訴した。裁判は今月(24〜25日ごろか?)行なわれ、リ被告に懲役4年と日本円にして約720万円の罰金を科す判決を下した。

Chinese woman jailed for ‘Scotch whisky’ fraud(スコッツマン)
Chinese court jails fake Scotch whisky seller(BBC)
http://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-scotland-business-21194829

 リ被告は中国国内で生産されたスピリッツに人工香料を添加、「スコッチ・ウイスキー」のラベルを貼り販売していた。裁判で弁護側は、スコッチ・ウイスキーと称しても世界的に販売されるブランドと商品に相似性が無い点を主張。しかし判決は、スコッチ・ウイスキーというブランドを悪用すること自体が深刻な犯罪であるとして、主張を退けた。リ被告は以前にも、ある会社の商標権侵害で有罪判決を受けているという。

 スコッチ・ウイスキー協会のリンジー・ロウ法務顧問は「中国はスコッチ・ウイスキーにとって成長市場だが、残念ながら人気が高まると共に偽物も横行している」と現状を話す。2010年には、中英両国の間で「英法に則り、スコットランドで生産したもののみ、『スコッチ・ウイスキー』とする」という合意に至ったが、依然として偽物の流通は続いている。ロウ法務顧問によると「取締は行なわれている」といい、今回のケースを「有罪判決が下った初めてのケース。判決は『偽スコッチ・ウイスキー』を販売することが危険なビジネスで、消費者と合法的活動をする飲料産業に悪影響を与えていることを例示している」と説明する。

 また、経済団体CBIスコットランドのイアン・マクミラン理事は「スコットランドに限らず英国のビジネスは長い間、中国における知的財産権の問題にさらされてきた。今回、中国当局がスコッチの仮面を被った商品に対処したということは、喜ばしい進展だ」とコメントした。


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