2013年1月19日土曜日

ラム助成金問題、米と関係国が協議へ――バルバドス首相が言明(カリビアンジャーナル)

 米国とカリブ諸国間で起こっているラム助成金問題(用語解説)について、中米バルバドスのフローンデル・スチュアート首相(写真)は、カリブ共同体加盟国ならびにドミニカ共和国と米当局が「ハイレベル」な協議を行なっていることを明らかにした(※)。ラム「マウントゲイ」(バルバドス)のセントルーシー保税熟成庫オープニングセレモニーで述べたもの。

Stuart: Barbados, US in “High-Level” Talks on Rum Subsidies(カリビアンジャーナル)
http://www.caribjournal.com/2013/01/18/stuart-barbados-us-in-high-level-talks-on-rum-subsidies/

 スチュアート首相はラム助成金を、カリブのラム生産者にとって「不利」なものであるとして、以下のようにコメントしている。
「バルバドス政府は毅然としてこの問題に対応し、外務省、貿易省に米政府と接触を持つよう指示した。我々は、このいびつな市場構造によってカリブのラム生産者が深刻なダメージを受けることを、許すつもりはない」

 他のカリブ地域のラム関係者と同様、スチュアート首相もWTO(世界貿易機関)へ提訴する可能性を昨年、言明している。

 一方、渦中にある米領ヴァージン諸島議会のドナ・クリステンセン議員は先月、元記事である「カリビアンジャーナル」にラム助成金についての自身の考えを寄稿。制度を「スマートで自主的な経済開発のための政策」とし、WTOへの提訴を「カリブの利益にならない」という見方を示した。また、米国のカリブ地域からのラム輸入も「近年、伸びている」と主張している。

※カリブ共同体(カリコム、CARICOM)はカリブ地域の経済協力機関。「ドミニカ国」は加盟しているが、「ドミニカ共和国」はオブザーバー参加するに留まっている。


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