2013年1月4日金曜日

イングリッシュウイスキーカンパニー、米進出に苦渋の決断――米国向け商品のみ新樽熟成で対応へ(ドリンクスビジネス)

 英イングランドのウイスキー・メーカー、イングリッシュウイスキーカンパニーが3月、米国でシングルモルトの販売を開始する。

ENGLISH WHISKY BREAKS INTO US MARKET(ドリンクスビジネス)

 同社は2006年、ジェームズ・ネルストロップ氏らネルストロップ家によって設立され、保有するセントジョージズ蒸溜所でウイスキーの生産を行なっている。スコッチ・ウイスキーの製法を取り入れ、熟成にはバーボン樽、シェリー樽を利用。英国だけでなく、日本、カナダなど12の国・地域に輸出している。

 しかし米国の連邦法は、オークでつくられた新樽で熟成したものをモルト・ウイスキーと定義する。スコッチ、ならびにアイリッシュ・ウイスキーはこの規程の適用外となるが、イングランドで生産する同社はシングルモルトと名乗れなくなってしまう事態が発生した。

イングリッシュウイスキーカンパニー
の役員、従業員ら。後列左端が創業者
であるジェームズ会長。その隣が会長
の息子、アンドリューMD。

 そのため、デヴィッド・フィット・チーフディスティラーは新樽による熟成を実験的に行ない、商品化できる段階に入っていた模様だ。だが、同社が目標としたのはあくまでもバーボン樽、シェリー樽熟成によるシングルモルトの販売。アンドリュー・ネルストロップ・マネージングディレクター(MD)は、英国内の業界団体、在英米国大使館に対し再利用樽による熟成をスコッチ、アイリッシュ以外にも認めるよう、要請していた。しかし昨年末、これを断念、米国のみ新樽熟成による商品を輸出することになった。

 当面は、ボストン、ワシントンD.C.、ニューヨークで販売し、2万本の出荷を目標にしているという。


※スコッチ/アイリッシュ・ウイスキーが米法で規定された「シングルモルト」の適用外となるというソースは元記事による。規定通りであればジャパニーズ・ウイスキーも「シングルモルト」を名乗れなくなるが、現実には、販売はもちろん、米国のコンペティションで好評価を受けている。ジャパニーズもスコッチ、アイリッシュと同等の扱いとなるのか、あるいは「シングルモルト」を名乗らないなど、特別な措置をとっているかは不明。


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イングリッシュウイスキーカンパニー オフィシャルサイト
ウィスク・イー イングリッシュウイスキーのページ
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