2012年2月10日金曜日

ラテンアメリカンはウイスキーを嗜む――スコッチウイスキーの対ブラジル輸出額、前年同期比1.5倍に(BBC他)

スコッチウイスキー協会(SWA/英・スコットランド)によると、昨年1〜9月期のスコッチウイスキー輸出額は約30億ポンド(約3,700億円)に達した。
これは毎秒125ポンド(約1万5千円)を生み出している計算になる。

Whisky supports more than 10,000 workers, SWA reports(BBC)

このうち輸出額が最も大きいのは米国で、4億3千ポンド(約530億円)。
しかし、このところ高い伸び率を示している輸出先は、ブラジルだという。

Latin America's growing taste for whisky(TUSCON Sentinel.com)

上記リンクの米ニュースサイト、タスコン・センティネルが伝えたところによると、昨年1月〜10月期のブラジルのスコッチウイスキー輸入額は1億3,400万ドル(約100億円)。
米国の輸入額に比べれば少なく感じるかもしれないが、前年同期比の1.5倍という急激な伸び率だ。
また、ベネズエラも輸入額でほぼ同じ伸び率を示しており、市場規模でブラジルは世界9位、ベネズエラは同12位と、既に一大消費地として成長している。
この状況について、ディアジオ社中南米担当のスチュアート・カービー氏は「もはや『ブラジルに輸出する』時代ではない。今やスコッチウイスキーはブラジルのために作られている」と語る。
また、「シーバスリーガル」や「バランタイン」といった著名ブレンデッドを擁するペルノ・リカール社は、DJコンテストのスポンサード、フェイスブックでのマーケティングを行なうなど、同地域での若い消費者獲得に躍起だ。

なぜ、これほどまでに消費が拡大し、また、メーカーサイドも拡販に動くのか。
それはやはり中南米の経済成長によるものだろう。
例えばブラジルにおいては、潤沢な天然資源を有し、インフラも整ったことから、永年の課題であった対外債務の解消が進んでいる。

ウイスキーから話が逸れるが、近年、Jリーグにブラジル人選手が来なくなった、という話を聞く(リンク参照)。
Jリーグのクラブが金を出さなくなったこともあるが、ブラジル人の所得水準が上がったことで、わざわざ日本に行くメリットが少なくなっているためだ。

国民の所得が上がれば嗜好品などへの支出も増える。
しかも中南米の場合、中国とは違い、歴史的にヨーロッパとの繋がりがある。
金の使い道がウイスキーに向くのも、必然なのだろう。

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