2012年2月22日水曜日

シーバスCEO、新蒸留所の建設を示唆(Scotsman.com)

シーバス・ブラザーズのクリスチャン・ポルタCEO(写真)は「スコッチ・ウイスキーの市場拡大が今後も続く場合、新しい蒸留所をオープンさせることを検討しなければならない」と、新蒸留所建設を示唆した。
シーバス・ブラザーズはブレンデッド・ウイスキー「シーバス・リーガル」などのウイスキーメーカーであり、ペルノ・リカールの傘下にある。


Chivas mulls new distillery after whisky exports surge(Scotsman.com)

同じくペルノ・リカール傘下のアイリッシュ・ウイスキー「ジェイムソン」の輸出が好調であることは、おとといのWSJでお伝えした。
こちらは対米輸出をメインとした記事になったが、ペルノ・リカールが見据えているのはやはり新興国のようで、同社のピエール・プリングエCEOは「来年か、長くても3年以内に、新興国市場での売上は現状より50パーセント増加させることが可能」と述べている。

世界的なウイスキー需要の向上を背景に、シーバスは現時点でも休止蒸留所の操業再開を進めている。
アルタベーン蒸留所は2005年、ブレイヴァル蒸留所は2009年に再オープン、そしてグレンキース蒸留所も来年、稼働を再開する予定だ。
また、既存蒸留所のキャパシティ拡大も進めており、グレンバギー蒸留所は2005年に50パーセント、グレンリベット蒸留所は2010年に75パーセント、それぞれ生産能力を向上させている。
(なお、これらの情報は元記事のScotsman.comによるもので、日本語化された信頼性の高い情報では休止等の事実が確認できていないものもあることをご留意いただきたい)

ポルタCEOの発言は、新興国を中心とした需要増によるものであるのと同時に、業界最大手であるディアジオへのライバル意識と見ることもできる。
ディアジオもまた、需要増への対応から2009年よりローズアイル蒸留所の建設を開始、年内に稼働する予定だ。
一方、プリングエCEOは当面、休止蒸留所の稼働再開と既存蒸留所の買収で需要増に対応していく意向を持っている模様。





スコッチ・ウイスキーはスコットランドの産業としての存在とともに、文化的側面も持っている。
休止した蒸留所の再開や、新たな蒸留所がつくりだす風味も楽しみではあるが、生産調整の名の下に蒸留所の休止・再開を頻発させることは決して喜ばしいこととは言えないだろう。

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