2012年2月14日火曜日

ビーム社CEO「インドではRTDに投資」(ザ・エコノミック・タイムズ)

5日のWSJで、インドの政財界人を対象にジャパニーズ・ウイスキーのテイスティングイベントが開催されたことをお伝えした。
だが、当然のことながらインドという新たなマーケットを狙っているのは、日本だけではない。
ビーム社(米・イリノイ州)のマシュー・シャトックCEO(写真)がインド紙ザ・エコノミック・タイムズのインタビューに応えた。

India is an attractive (liqour) market: Matthew Shattock, Beam CEO(ザ・エコノミック・タイムズ)

ビーム社はジム・ビームなどのバーボンの他、カナディアンクラブ(カナディアン・ウイスキー)、ラフロイグ(スコッチ・シングルモルト)、クルボアジェ(コニャック)など多数のスピリッツブランドを擁する。
エコノミック・タイムズによれば、同社のブレンデッド・ウイスキー「ティーチャーズ」は輸入ウイスキーの中で「インド国内で疑いのないNo.1ブランド」だという。

しかしその一方、高い関税率やその他の税制面、あるいは広告の制限など、インドのスピリッツ市場において外国企業が臨むハードルは高い。
「インドは若年層の人口が多い国。現時点でも1億ケース以上のウイスキーが出荷されているが、消費者はさらに増えるだろう。ゆえにインドは魅力的な市場だ」とシャトックCEOは将来的な有益性を強調する。

またインドでの戦略については、次のように語っている。
「ティーチャーズのRTD(レディ・トゥ・ドリンク、用語解説参照)商品に、積極的に投資していく。これは、レストランやバー、ティア2、ティア3の街(ニューデリー、ムンバイなどの五大都市圏につぐ地方都市圏)に照準を絞り、進めていく」
「(インドのRTD商品はバカルディ・ブリーザーが150万ケースの出荷に留まっている程度だが成功するか、という質問に対し)RTDは合理的な価格設定をすることにより、新たにスコッチを飲もうというユーザーを呼び込む。しかし、RTDという便利な商品は、我々に新たな販売の機会、チャンネルを与えてくれるが、完全な商品ではない。我々はRTDをブランドの幅を広げてくれる商品と考えている」

ビーム社が当地で成功するか否かは別として、具体的な販売方針を持ってインド市場に臨もうとする点は興味深い。
日本企業がインドで成功した例として、自動車メーカーのスズキの例が挙げられる。
国民車と呼べる車のなかったインドに小型車を売り込み、今やスズキの販売台数は日本よりインドの方が多い。
スズキのマーケティングは酒類業界にとっても、見習うべき点があるはずだ。
彼らが何を欲しがっているかを知ることができれば、日本の酒類メーカーにとってもインドは有益な市場となるだろう。

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