2013年2月8日金曜日

サントリー、インド酒造企業に資本参加か?――同国紙が報道(ビジネススタンダード)

 サントリー酒類(東京都)がインド酒造、ジョンディスティラリーズ(JDL)への資本参加を検討していると、インド紙「ビジネススタンダード」が伝えている。実現した場合の出資額は、500クローレ(87億円、1クローレ=1000万ルピー)に上る見通し。

Japanese major sniffs Indian market through John Distilleries stake(ビジネススタンダード)
http://www.business-standard.com/article/companies/japanese-major-sniffs-indian-market-through-john-distilleries-stake-113020701287_1.html

 JDLはポール・ジョン氏が1992年に創業し、ウイスキーをインド国内で生産する他、独自ブランドのワイン、ブランデーを販売。IMFL(インディアン・メイド・フォレイン・リカー。日本における「国内メーカーがつくる洋酒」の位置付け)のうち、5%のシェアを持つ。なかでもブレンデッド・ウイスキー「オリジナルチョイス」(写真)は年間1000万ケースを出荷する看板ブランドで、また、昨年リリースした初のシングルモルト・ウイスキー「ポール・ジョン・シングルカスク161」は英国で販売を行なう。

 今回の案件は、国際的な事業拡大を目指すJDLが資金調達を模索していることと、インド市場での成功を目論むサントリーの思惑が合致したことによるものと見られる。昨年5月にはサントリー食品アジア(シンガポール)が当地の飲食品企業、ナランコネクトの経営権を取得。またサントリーの商品では、酒造企業のラディコカイタン(Radico Khaitan)と提携し、シングルモルト・ウイスキー「山崎12年」、ブレンデッド・ウイスキー「響17年」を同国で販売している。

 ただ、投資銀行アナンドラシが最近発表したレポートによると、地域別の飲酒量が同国南部で約60%、北部と東部でそれぞれ15%と、消費傾向に極端な差があるという。こうしたマーケティング上の観点から、国外のブランドが参入しても成功は限定的なものになることが予想され、一からブランドを立ち上げる場合は「非常に挑戦的なこと」になると、同レポートはまとめている。

 なお、ビジネススタンダードの取材に、JDL、サントリーの両社とも、回答をしていない。


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