2013年2月15日金曜日

ペルノリカール、中間決算発表――クエルボ買収に「議論はオープン」とプランゲCEO (BBC他)

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 仏酒造大手ペルノリカールは14日、中間決算(2012年7〜12月期)を発表した。売上高=49億700万ユーロ(約6060億円)で前年同期比6%増、営業利益=14億5900万ユーロ(約1800億円)で同6%増だった。

 一見、堅調に推移しているように見えるが、昨年度中間決算時の有機的成長率が11%であったのに対し、今期は3%で、外部的要因を除いた実質値でも5%に留まっている(※)。そのため、元記事のBBCは「近年見られた、世界的なスコッチ・ウイスキーの急成長が終わった」と悲観的な見方を示している。

Pernod Ricard: Scotch whisky sales 'flat'(BBC)

 一方、テキーラ・ブランド「ホセクエルボ」についてピエール・プランゲCEOは「議論はオープンに行なう」とコメントし、買収などの可能性をしなかった。ペルノリカールのライバル企業であるディアジオがホセクエルボの買収交渉を進めていたが、昨秋、これが決裂。今年6月をもって、ディアジオはホセクエルボの世界的販売を終了する。

 ホセクエルボのオーナー一族であるベックマン家が家族経営を望んでいることに加え、販売量が全てのテキーラ・ブランドの中で世界一であることから同ブランドの価値は30億ドル(約2780億円)に上ると言われている。そのため、ペルノリカールがただちにホセクエルボの経営に参画することは容易ではないが、今回の発言で、同ブランドに関する新たな動きが起きることになるかもしれない。

Pernod ‘open’ to talks on Jose Cuervo(フィナンシャルタイムズ)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/a0ec7ba8-76b7-11e2-ac91-00144feabdc0.html#axzz2KvjzmYU9

※有機的成長率は、元から保有していたブランドによってもたらされた収益などを数値化したもの。元記事のBBCは「12%」と表記するが、昨年度中間決算でペルノリカールが発表した数値は11%であり、本サイトではこちらを採用した。また、外部的要因はフランスでの酒税引き上げによる駆け込み需要、中華圏の旧正月が昨年と時期がずれたことを指す。


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