2013年2月28日木曜日

エドリントングループに罰金4万ポンド――火災事故での安全管理不足で(BBC他)

 英スコットランドのグラスゴー刑事裁判所は27日、事業所内の安全管理を怠ったとして酒造大手エドリントングループ(スコットランド)に4万ポンド(約560万円)の罰金を科す判決を下した。グラスゴー市内のウイスキー倉庫で起こった火災事故によるもので、同社は控訴など対抗措置はとらず罰金を納付する方針。

Whisky firm Edrington Group fined over warehouse fire(BBC)
Whisky group fined £40,000 for safety failures after warehouse fire(STV)
http://news.stv.tv/scotland/215708-edrington-group-fined-40000-for-glasgow-whisky-warehouse-fire/

 火災は2011年6月、グレートウエスタンロードグラスゴー事業所内のウイスキー倉庫で発生。当時、2人の従業員がウイスキーを鋼製の桶から樽へとホースで充填する作業を行なっていたが、ウイスキー原酒は上部方向へ暴発し、照明器具に当たったことが原因で火災となった。従業員によると暴発する前に、ホースが緩む感覚があったという。従業員らは早急に火災報知機を作動させ、死傷者や周辺環境に対する被害は無かった。事故後の調査で、倉庫内にある110のスプリンクラーのうち、70が作動していたことが判明している。

 事故を担当した英政府健康安全部(HSE)のデイヴィッド・スティーブン調査官は「大事故に至らなかったことは、非常に幸運だった」としながら、以下のようにコメントする。
「今回の事故で1万7500リットルのウイスキーが失われた。このボリュームは、大規模な火災に繋がるだけの十分な燃料となり得る。会社側は簡素な体制を敷いていたが、照明器具を可燃性の気体が発生する場所でも適合するものにしていれば、事故は防げたはずだ」
またスティーブン調査官は、事故後の2011年10月に設備を更新し、事故を防止する措置がなされていることも付け加えた。

 エドリントングループ広報は「当社は4万ポンドの罰金を支払うことを承服した。事故に対して全責任があると考え、発生後、直ちにHSE、スコットランド環境保護庁と共同で原因究明に取り組んだ。当社は従業員の健康と安全を第一としている」との声明を発表した。


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