2013年2月1日金曜日

ディアジオ、中間決算発表――西欧不調も、収益とも成長続く(BBC他)

 酒造最大手ディアジオ(英)は1月31日、中間決算(2012年7〜12月期)を発表した。売上高=60億3900万ポンド(約8700億円)で前年同期比5%増、営業利益=20億2900万ポンド(約2900億円)で同9%増、税引前利益=19億6000万ポンド(約2800億円)だった。18.10ポンド(約2600円)の中間配当を分配する(前年実績=16.6ポンド)。

Sales increase for Scotch whisky firm Diageo(BBC)
DIAGEO ‘OVER-EXPOSED’ IN EUROPE(ドリンクスビジネス)
http://www.thespiritsbusiness.com/2013/01/diageo-over-exposed-in-europe/

 販売数量ベースで見ると前年同期が8410万ケースの販売であったのに対し、今期は8880万ケースと6%増加している。

 しかし、多くの地域で好調ないしは堅調な実績を挙げる中、欧州地域の需要停滞が依然として顕著だ。東欧やロシアが好調であったことから欧州全体では2%の売上増加と、なんとかプラス成長に留まったが、西欧のみでは6%の売上減少となっている。スペインなどの景気停滞が、そのまま同社の実績に反映された形だ。この点について元記事のドリンクスビジネスは「最も残念な点」と評し、決算発表の模様を「ポール・ウォルシュCEO(写真)は投資家、ジャーナリストから、いくつかの答えにくい質問を受けた」と伝えている。

 また、インド証券取引委員会などからユナイテッドスピリッツ(インド)の株式公開買付についての承認が未だ下りていない問題に、ディアドラ・マラン(Deirdre Mahlan)CFOは来月にも取引は完了するとの見通しを述べた。ビーム買収や、テキーラ「ホセクエルボ」の販売契約(今年6月まで)終了後についてのコメントはなかったという。

 なお、英国で起こっているEU離脱問題について、ウォルシュCEOはEUに留まることが必要と言及した。BBCのインタビューで述べたもので、以下のようにコメントしている。
「我々のゴールは、結束した上で広くフラットな欧州にすることだが、まだ達成されていない。私は、『欧州』に留まると述べた(デービッド・キャメロン連合王国)首相を支えていく。我々は取引を行なう企業だ。我々は欧州に留まり、規制がなくなり、より競争的となる未来に亘って、欧州に身を置いていなければならない」


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