2013年2月14日木曜日

アサヒHD、海外ファンド2社をオーストラリアで提訴――買収案件での情報提示を問題視(ナショナルビジネスレビュー他)

 アサヒグループホールディングス(アサヒHD、東京都)は14日、投資ファンド「パシフィック・エクイティ・パートナーズ(PEP、オーストラリア)」「ユニタス・キャピタル(香港)」の2社をオーストラリア連邦裁判所に提訴した。アサヒHDは2011年、被告側2社から「インディペンデント・リカー(ニュージーランド/オーストラリア)」の経営権を15億NZドル(約980億円、当時レート)で取得している。アサヒHDの主張では、取引の際、PEPとユニタスが、インディペンデントの企業価値について誤解を与え、また過大評価する情報を提示したといい、その損害賠償請求が提訴の理由だ。

Asahi sues private equity funds over liquor purchase(ナショナルビジネスレビュー)
http://www.nbr.co.nz/article/asahi-sues-private-equity-funds-over-liquor-purchase-ng-135802
アサヒHD、NZ飲料会社買収に絡みPE2社に賠償請求(ニューズウィーク)
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2013/02/94112.php

アサヒHDによる買収によりインディペ
ンデントは、スーパードライの生産ラ
イセンスも取得している
 インディペンデントは1987年、ニュージーランド人のマイケル・アーセグ氏が設立。RTD商品(用語解説)の生産を得意とする他、ビール「カールスバーグ(デンマーク)」「キングフィッシャー(インド)」の生産ライセンスを持つ。また、ウイスキーなどスピリッツの輸入も行なう。

 PEP、ユニタスの2社は、プライベート・エクイティ・ファンドと呼ばれる形態の投資ファンドで、被買収企業の経営権を友好的に取得、直接的な経営関与を行なうことで企業価値を高め、その後、売却するのが特徴。インディペンデントについては2006年、投資ファンド「CCMPアジアパシフィック」から13億NZドル(1030億〜1040億円、当時レート)で取得した。

 アサヒHDの関係筋は、「デュー・ディリジェンス(投資先の調査)を怠ったわけではなく、それよりも、ミスリードや騙すような行ないがあった」と、ナショナルビジネスレビューの取材に答えている。ただ、買収自体は現在でも肯定的に捉えている模様で、今後のインディペンデント経営にも影響はないという。


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